乾燥不足の原因

使っているインクの種類によって、乾燥条件は様々です。しかし、指定された乾燥条件を守っているにも関わらず、乾燥後のインク面がヒビ割れたり、最悪剥がれてしまう様な場合は、まずインクメーカー若しくは購入した販売店に原因究明を依頼しましょう。

スクリーン印刷を完了するには、様々な機器、材料を使用します。そして、インクと乾燥機を同一の業者が販売したのではなく、それぞれを別々の業者から購入していると厄介な事が起きます。

インクを販売した業者に聞くと「それは乾燥機が悪いのではないでしょうか」と言われ、乾燥機を販売した業者に聞くと「それはインクが悪いのではないんですか?」と言われたりします。プリントしている本人は「どっちでも良いから、早くちゃんとしたプリント(製品)ができるようにしてよ!」という話なんですが。では、言われた通りの乾燥条件を守っているのにトラブルが起きてしまう。その原因は何なんでしょうか?

 

  1. インクの劣化
  2. 乾燥機器の不具合
  3. インク選定の間違い
  4. ワーク(ウエア)の季節的若しくはロットによる状態変化
  5. 印圧不足

 

他にもまだ有るかも知れませんが。順不同に書き出しただけでもこれだけ考えられます。

前述のような答えしかできない業者は、結局の所「今回のトラブルは、自分のせいではない」と言いたいだけで、製品を購入してくれた、購入してくれているお客様の身になって考えてはいません。

今回で1〜5全てを詳しく書くことができませんので、1についてだけまず書かせて頂きます。

余談ですが「インクの劣化」などと書くと、必ずと言って良いほど「プラスチゾルインクは一切劣化しません!」などと言い切ってしまう方がいらっしゃいます。
では試しに長期に渡って放置してみてください。pvcから可塑剤が分離し始めます。これを劣化と言わずに何というのでしょう(笑)

水性バインダーでもプラスチゾルインクでもいずれ劣化はします。プリントに慣れた方なら、劣化したインクはスキージストロークの際に違和感を感じるはずです。問題なのは、経験値が少ない方が初めから粗悪なインクを購入させられている場合。経験値が少ないので、業者の言う通りに信じて使っている訳ですから、そもそもが大丈夫と思って使っている訳です。

結論として、もともと正常なインクを使用していれば、劣化した時点で印刷する前若しくは印刷途中で気づけるはずです。逆に言うと、トラブルになった時点で「あの時の違和感が・・・・」と薄々思い出してしまうはずです。
そして、正常なものではないインクを掴まされていた場合、そのようなインクを掴ませる業者からはとっとと縁を切りましょう(笑)前述の通り、そのような物を掴ませようとする業者は、必ずと言って良いほどトラブル解決に協力しようとはしませんから。

 

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粉ものに注意

最近お問い合わせが多いのが「グリッター(ラメ)」や「ゴールド・シルバー」など、ベースバインダーやプラスチゾルインクベースに粉体を混合して行うプリントです。

中でも「(既製の)インクを購入してプリントしても、巷で見かける様な濃度のあるプリントができないのですが?」というお悩みです。

これがホワイトやレッドなどなど一般色のプリントの件ででしたら、皆さんお解りのようにスキージの硬度やスクリーンメッシュのテンションなどなど、先にご説明することは山ほど有るのですが(笑)

粉ものを混ぜることによって、インクの粘度が上がりますから、スクリーンのテンションが同じであればインクは落ちづらくなりますし、版離れは悪くなりますからワーク(被印刷物)をきちっと糊で固定しなければなりません。

ここまでの話で「おや?」とお思いになった方もいらっしゃると思います。多色プリントの場合、1色プリントする毎にワークが少しでもずれてしまうのを防ぐためにワークを糊で固定しなければならないと思っていらっしゃる方。それは半分当たりで半分間違いです。
版の孔を通過するインクは、孔に全くインクを残さず通過させることは不可能で、ほんの僅かに残ってしまいます。これが版とワークの版離れを悪くさせます。逆に言うと、孔への残留インクが多いほど版離れが悪くなります。
スキージストロークの印圧は強ければ強いほど良いというものではありません。適正な印圧を超えてストロークを行ってもワークとスクリーンメッシュのフィラメント(糸)を押しつぶすだけで濃度は決して上がらず逆にスキージ中央部では逆に濃度は下がります。

適正なスキージストローク圧は、スキージブレードがスクリーンメッシュを押し下げ、ワークと接するその一点にあります。

ですので、時おり、というかしょっちゅう見かける(笑)スキージストロークが終わり、版を持ち上げる際にワーク(Tシャツなど)がふわりと浮き上がっている動画は間違いです。そういう印刷は決まって淡色生地にプリントしている場合が多く、隠蔽性をあまり必要としないものですね。
また、スキージが版上を通過している部分をよく見ると、泥の上をキャタピラーが走った後のように刷り痕がムラになって現れている動画も良く有ります。「なんでそんなに・・・」という程、スキージ圧を上げているんだと思います。前述のようにスキージ圧は必要以上に上げてはいけないので、きっとテンションが足りない版を使っているんだなぁ。。。と自分を納得させていますが。

さて、話は粉もののプリントです。

粉ものの(粉を混ぜた)インクのプリントでは、ベースとなる樹脂の中に混じった粉体が版の孔を通過していかなければなりません。
ですので、基本的なことですが粉体の粒径がスクリーンメッシュのオープニングよりも小さな、逆に言うとスクリーンメッシュのオープニングより小さな粒径の粉でなければプリントされないと言うことになります。

そして、感光乳剤の露光(直接法)ではないサーマルフィルム法の版ではプリント(粉体)の濃度が出なかったり、粉体の濃度は出るけれどもプリントのエッジが滲みがちにならざるを得ないという問題点があります。

具体例を挙げますと、サーマルフィルム法にはスキージ面にフィルムがあり印刷面には紗がむき出しのタイプと、その逆の場合があります。
前者はプリントエッジが滲みがちになり、後者は粉体の濃度が薄くなりがちにならざるを得ません。これは片側で紗がむき出しになっていることに原因があります。正確に言うと、粉体の印刷以外一般色の印刷においても、前者は滲みがちになり、加えて版の強度を保つことが難しい場合が多くなっています。

サーマル法で使用する機械は決してお安いものではないので、購入する際には教えて頂きたいものですが、善良な業者でも知らない方が多いのが現実(悲)

では直接法感光乳剤を使用して作った版ではどうかというと、

  • そもそものスクリーンメッシュの選定を間違えない(オープニングの確保)
  • スクリーンメッシュのテンションを強くする
  • スキージブレードのアタック角度を考慮に入れる

以上をきちんと行っていれば、普通は問題ありません。
感光乳剤の質によっては、インク(粉体含む)が落ちづらいものがありますが、通常のレベルではあり得ません。フッ素樹脂を添加した感光乳剤ほどインクがなめらかに落ちますからラメなども落ちやすいのですが、通常レベルのものより高価になっています。感光乳剤をそれぞれの局面で使い分けるのが一番良いとは思いますが、こんな助剤もあります。

最後にこんなお話し。

お客様と色々お話ししている内に

「他社からゴールドのインクを買って印刷したんですが、全然金色にならないんですよ」との事でしたので、具体的にそのインクのメーカーをお聞きしたところ、そのインクは#80メッシュ以下の、すなわちオープニングが#120より大きなメッシュでしか使えないものでした。それを即答でお伝えすると、そのお客様曰く

「版もそこから購入しているんですが、#120しか購入していないのに、なんで教えてくれないんだろう・・・」

ちなみに昔ながらの八百屋(笑)で「イモください」と言えば「ジャガイモ?サツマイモ?」と聞いてくれると思います。そこで「今日の夕食をカレーにしようと思うんです」と言えば、まさかサツマイモを勧める八百屋はないと思うのですが(笑)

ちなみにそのお客様は現在、弊社から#120で印刷できるゴールドをお使い頂いていますが、それでも金のオチがあまり良くないらしく、使っている版の現物を弊社に送って頂いているところです。

 

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再帰反射(リフレクト)

通常の一般色のプリントは顔料の径が小さいので、スクリーンメッシュの番手の選定は専ら印刷するデザインに対して、どこまで精細さを要求するのかが基準となります。言い換えると、インクの樹脂の粘度が許すのならば、そしてプリントする技術が許すのならば、出来うる限り高い番手のメッシュを使う事ができます。

これに対して、グリッター(ラメ)蓄光再帰反射などは、もっと径の大きな粉体を使用していますから、これらの径を通す事ができるオープニングを持ったスクリーンメッシュを使わざるを得なくなります*。

上記4種類の粉体を使った印刷の場合、まずベースとなる樹脂(水性バインダーもしくはプラスチゾルインク)は出来うる限り透明度の高い物を使用した方が、仕上がりは煌びやかになります。特に、蓄光、再帰反射の場合は、ここが蓄光率や再帰反射率に大きく関わっています。いつもの様に箇条書きにすると以下のようになります。

  • 適した接着力を持つ(通常のバインダー・プラスチゾルインクより高接着の)ベースを使用する
  • 通常のクリアバインダー・クリアプラスチゾルインクより透明度の高いものを選ぶ
  • 濃色生地にプリントする際はアンダーホワイトを事前にプリントする

グリッタープリントに限っては3番目を省いても良い場合が有りますが、この場合は試験を行いながらパウダーの量を増やす必要があります。なぜかというと、ベースである樹脂の接着力は、粉体の保持にも消費されるので、限界を超えると生地への接着力が不足し、プリント自体の剥離若しくは、粉体の激しい離脱を起こしかねかねないからです。

では、蓄光や再帰反射も同様に注意して添加量を増やせば下刷りはしなくても良いかと言うとそうはいきません(笑)
一般色の場合、光が当たって反射した色だけが見えます。例えば、赤と言う色は物体にあたった光の内、反射した成分?の赤だけが見えるのですよね?

蓄光顔料は当たった光を受け止め貯えます(詳しくは科学雑誌などをご参照ください)。そして暗所でその光を放出します。要は、受け止めてから発光するまでエネルギーを蓄えている一定の時間が有ります。という事は、まず最初に光をたくさん吸収しなければ良い効果は得られません。ですので、より透明度の高いベースでなければならない。
ここで色のついた生地に下刷りをしなかった場合。例えば黒の生地に下刷りをせずにプリントした場合、蓄光顔料の脇をすり抜けてしまった光は、全て生地の黒に吸収され反射してくる光はありません。緑の生地であれば緑の光成分だけが乱反射して、ある程度吸収できます。反射して戻ってきた光は蓄光顔料の背中側からも吸収されることを考えると、下地に白をプリントしておくことが、後々の放出される光の量に影響する事が解ると思います。

再帰反射の場合は、事情は微妙に違います。再帰反射のビーズは、透明の球体の中に反射素材が埋め込まれています。外見は白く見えるので、ベースに混ぜてすると若干白のプリントに見えます。ビーズの背中側から反射光が当たってもなんら意味をなさないので、別に白で下刷りしなくても良さそうです。しかし、下刷りしないものと見比べると違いが確かにあります。
ビーズの横をすり抜けた光が黒の場合は吸収されてそのままですが、白をプリントしておくことで、ビーズが反射した光のせいで白も見えるせいでしょう。

*ここに金・銀を含めていないのは、金粉・銀粉は粒径こそ通常の一般色顔料より大きいものの、#300まで可能なパウダーが用意されています。これらを使用して尚、#80でなければならないとすれば、それはスクリーンメッシュのテンションが足りない場合です。

この様な事をご理解頂かずに、ただただスキージ圧を上げて見ても、全く効果は現れません。スキージ圧には適正な値が有りますから、高いスキージ圧は折角被印刷物に乗ったインクを再度欠き取っているに過ぎません(詳しくは別項に譲ります)。

 

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場所がない!

スクリーンプリントを続けていると、何かと場所が足りなくなってきます。逆に言うと何から何まで増えていきます。

最初は予想もしていなかったのでしょうが(笑)特に私なんかのような「ものを捨てることがなかなかできない人」の場合とても厄介な事になります。

ことインクに関してですが、すでにメーカーで用意されている色「のみ」で完結する場合は極めて少ないと思います。「こんな色にしてください」というお客様の要望に応えなくてはならなくなるので、その都度インクが余り、それを捨てずに保管して行くととんでもない量のインクが占拠する事になります。

スクリーンプリントの原理上、プリントには余分な量のインクが必要ですから、作業に取りかかる前にどんなに緻密な計算を行ってもインクは残ります。「次回に少しでも使えたら」といって残したり、調合方法をレシピとして残さず色あわせするために残したりするからです。

水性バインダーの場合はそれほどでもありません。基本、水性バインダーは劣化が早いので、いくら密閉して保管しても、次回には使用できない状態になることが多いからです。気持ちはわかりますが(笑)粘度が上がったバインダー(インク)を水道水で希釈し、粘土を下げて使うような行為は行わない方が無難です。

このような努力をする位なら、経験を積んでプリントする柄(面積)に必要となるインクの大凡の量を予測する技を身につけた方がよっぽど安全かつ有用です。廃棄するインクの金額と、怪しいインクを使用して何かトラブルが有った時の損害(金銭的なもの、信用も含めて)を比較してみましょう。

ではプラスチゾルインクはどうでしょう?

水性バインダーと違い、プラスチゾルインクは劣化の進行が極度に遅いため(決して劣化が0ではありません)残したインクも保管ができます。ここまでお読み頂ければ、オチはもうお解りかとも思いますが、概してインクに占拠されている率が高いのはプラスチゾルインクをお使いになられている方です。長期保管が可能なため、捨てることができずに何時使うか解らないインクがどんどん溜まっていきます。

こんな事偉そうに書ける立場じゃないのは解っています。何度も言いますが、私って捨てられない人ですから(笑)

  • この色(のインク)を作った時、時間がかかって大変だったんだよぉ
  • リピートで注文が来るかもしれないしぃ・・・
  • そもそも、インクを捨てるってお金を捨てる事と同じじゃん!

などなど、色々な反論があると思います。言われるまま捨てていたら、購入するインクが増えるから、これは資材屋の策略だ!とお思いになったあなた(笑)

確かに話がここで終わったら策略かはたまた陰謀だと私もそう思います(笑)

要は、時間がかかって大変にならなくすれば良いのではないですか?
インクを捨てずに、保管するために占拠され続ける場所の土地代は勿体なくないですか?
少しでも広い(もとの)空間で作業できた方が良い仕事ができませんか?

これは水性・プラスチゾルインクに限らず共通していることですが、何らかの接着構造を持った樹脂に顔料を混合してあるものが印刷インクです。

弊社で販売しているExcaliburダイレクトプリントインクを例にとります。
蛍光色を含めて49色有ります。これらのインクを混合して別のインクを作ると、なかなか作れない色があるでしょう、きっと。
近場のお客様に朝一番で訪問すると、インクを混合してこねこねしていました。市内を一回りしての帰り際にもう一度寄ってみると、今度は別の件でしょうか?またこねこねしていました。しかし、聞いてみると実は朝からずっと色作りしても出来上がっていないのでした。超、効率が悪い(笑。。。)

本来、ダイレクトインクのようにロダマインレッドだのアクアだのと言う名前のついているインクは、それらのインク1発でプリントする事を前提としたインクです。色見本一覧を店頭に掲げておいて「どれで刷りますかぁ?」というパターンです。ただ、同じ樹脂なんですから、混ぜて使うこと可能ではあります。

そして実は、混ぜて色を作るインクは別に用意されています。そして混ぜる比率はメーカーで公開しています。Excaliburには551シリーズがそうですが、こちらは混合比率を調べることができるPC用(Windows用)ソフトが用意されていますから、パントンカラーナンバーさえ解れば、朝からずっとこねこねする必要はありません(笑)

「いいんですよ、うちは。インクを保管するも何も、インクは版の上に乗せたまま版上で保管しますから(笑)保管場所は増えません!」

などとおっしゃる方がいらっしゃいます。どこぞのどなたかから聞いた方法か解りませんが、おやめになった方が賢明です。

  • プラスチゾルインクは徐々に可塑剤とPVCが分離します。て事は、分離した可塑剤がスクリーンメッシュを痛めます。
  • 同じく、分離した顔料がスクリーンメッシュ(ポリエステル・ナイロン繊維)に固着します。
  • クリーンルームでプリントしているならいざ知らず、埃の混じったインクをプリントするのでしょうか?(笑)

 

帰ったら部屋のいらないものを捨てなくちゃ(笑)

 

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でわブリード(再昇華)を最小限に抑えるには

前回の記事の最後に期待を持たせているので(笑)なんとなく少し早めに書いています(笑)

でわブリード(再昇華)を最小限に抑えるにはどのような方法があるのかという事ですが、前回書いた通り、ブリードは100%止める事が出来ないのであれば、その方法のなかからどれを選ぶかによって、製品の出来が変わるという事です。
極端な言い方をすると

「いいんじゃない?この程度止まれば」とお考えになる人と
「いやぁ、、許せんな。こんなじゃ」とお考えになる人では求める出来が違うので。

で、ここは私・・・株式会社スタンスの基準で「この位はやってくださいよぉ」というレベルを書きます(笑)

前回の記事で書いた通りですが、インクに含まれる顔料をいくら増やしたところで、ブリードは止まりません。プリントした直後は顔料濃度が高いためブリードは起きていませんが、時間が経つにつれあっという間に染料が移染してしまいます。

次に列記する方法は、後に行くほどブリード抑制の効果が高くなっています。

  1. ローブリードインクを使用する
  2. 低温硬化型インクを使用する(注:ナイロンボンドの併用は効果が無くなります)
  3. 自然乾燥型インクを使用する
  4. スーパーローブリードインクを使用する
  5. ブリード防止剤を添加する
  6. スーパーローブリードインクと、通常インクを混合したものにブリード防止剤を添加する
  7. スーパーローブリードインクを全面プリントしてから、各色プリントする
  8. ブリード防止剤を全面プリントしてから、各色プリントする
  9. ブリード防止インクを全面プリントしてから、各色プリントする

生地のブリードのしやすさにもよります。1で良い場合も有りますし、6でもダメな場合も有ります。
また、7~9の方法は下刷りに全面プリントするので刷版が1枚増える事になります。そして、重ね刷りする事になるため、柄のエッジをぴったり合わせなければなりませんから、印刷技術はもとより、版のテンションが大切になってきます。

 

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ブリード(再昇華)のメカニズム

なんか、このテーマについては何度も書いている気がしますが(笑)

こうして何度も書くってことは、それだけブリードに対するお悩みのご相談が尽きないという事。そして加えて「ブリード対抗インク」を謳いながら、厄介なインクを販売しているところが懲りていないという事です(笑)

さて「メカニズム」と書いてしまったからには(笑)それ相当の覚悟を持って図式化しました(笑)
順を追って説明しますが、まずは結論から。

「ポリエステル生地のブリード(再昇華)。するものはします。100%止める事なんて絶対にできません」

上の図。たいそうな事を言っておきながら円を何個も書いただけ(笑)
この白○一つ一つをポリエステル繊維を形作っている分子だと思ってください(笑)

図1は常温の状態とします。ポリエステルの分子は規則正しく並んでいますが、ポリエステルの性質上、その分子同志はそんなに強い力で結びついている訳ではありません(詳しくはなんらかの文献でご確認下さい)。
そして、このポリエステルに高温を与えるとどうなるかと言うと

 

分子どうしが離れ始めます。
その昔、教科書の中で氷から水に変わる時にこのような絵を見た事が有るような無いような(笑)

大体はそれと同じような理屈です。エネルギーが増えた分子は動き出す、ってこと。

さて、ここに染料をとある方法でくっつけますと、こうなります

赤丸が染料の分子です。
上手く作れませんでしたが(笑)動いて空いたポリエステルの分子と分子の間にズボっとはさまります。

これが、ポリエステルに昇華染料を使用した染色方法のざっとしたあらましです(笑)

お分かりいただけるように、染料の接着には何も使用しません。ポリエステル繊維分子同志の結合力も弱ければ、染料も挟まっているだけです(笑)難しい事を書けば分子間力・ファンデルワールス力などの説明をしなければならなくなりますが割愛(笑)

さて、世の中には次のような間違った説が有ります。

乾燥しなければブリードはしない」

半分あたりで半分間違いですね。

図3の状態から再度熱をかける事でまたまたポリエステル分子同士は隙間が空いてしまい、そこからポロっと染料が取れてしまいます。そこにインクがくっついているのですから、インクの接着力で染料は移動してしまいます。なので半分は正解です。

図の上側がポリエステル生地の表面(インクが乗る面)だとすると、緑に塗りつぶした染料がインクに触れてしまいます。
さぁ、ポリエステルと染料の結合力、これとインクと染料の結合力、いずれが大きいでしょうか?

インクが生地に接着するという事は、インクの樹脂と生地がお互いに引っ張り合っている状態です。インクの樹脂は常温でも染料を引っ張り続けているのですから、染料がインクへ移動してしまいます。綿100%の生地でこのようなブリードが起きない理由は、染色方法に反応染料が使われており、綿の分子と染料の分子を化学結合させているからです。
ポリエステルの染色方法である熱昇華染色法は化学結合を行っていませんから、遥かに強い接着力であるスクリーンインクは染料を引き剥がし移動させてしまいます。

「そんな馬鹿な!」とお思いのそこのあなた(笑)

では、こんな実験をしてみて下さい。

確実にブリードしてしまいそうなポリエステル100%の生地2枚に、熱圧着ラバーシートを完全に熱プレスしてみて下さい。

そして1枚は冷えたらすぐに、リムーバーMWなどを使って剥がす。そしてもう一枚は数か月後に同じようにして剥がしてください。

すぐに剥がした方は、多少生地の色が薄くなっています。そしてもう一方は・・・・・

熱がない時にも染料の移動が起きていることが確実にわかると思います。

「ラバーシートが冷えた後は、感熱接着剤の接着は終わっているじゃないかぁ!」という反論は無駄でございます(笑)
2つの物体がくっついている状態は「常に引っ張り合っている」状態なので。

以上がブリードのメカニズムです。でも、これで終わってしまっては面白くないので(笑)

ブリードに対抗するインクは昔から用意されていましたが、

  • インクに発泡剤を混合し、いかにもインクの隠蔽性を上げたかのように見せかける
  • プラスチゾルインクの可塑剤の種類を選定し、ブリードの時期を遅らせる
  • 顔料を大量に混合させてごまかす

など、根本的な解決法は取られていませんでした。冒頭にも書いた通り、完全に止めらる訳がないブリードなのですが、もっと良い方法は無いものでしょうか?

次号に続きます(笑)

 

 

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「塗る」から「落とす」へ

ご相談をいただく際の会話の中で、印刷の様子を「インクを 塗る」と表現される方がいらっしゃいます。

そしてご相談の主な内容の多くは次のようなものです。

  • 濃いインクはありませんか?
  • 印刷が滲んでしまうのは何故でしょう?
  • 1枚目と2枚目の印刷位置が微妙にずれるのはどうやったら解消できますか?

考えればきりがないほどたくさんの表現がありますが(笑)この位にしておいて。

 

何故「インクを塗る」という表現になるのかと言うと、版を直置き(ベタ置き)にして印刷している場合が多く、そうではなくオフコンタクト(版と印刷物に隙間を作る)を取っていたとしても、版のテンションが全く無いか足りない場合も多く見られます。

ダンボールを丸くくりぬいて、それを版として使用しても、丸の印刷は可能です。しかし、ドーナツ型の印刷はこれでは1枚しか印刷できません。インクでべとべとな中心の「島」を都度置きなおせば別ですが(笑)
これを可能にするために、枠に絹の網を張り、前記の「島」を固定したのが「シルク(絹)スクリーン印刷」の始まりと言われます。

このブログを以前からお読み頂いている方には、もう「耳にタコができる」話だとは思いますが(笑) この網を張った版をベタ置きして印刷する状態、所謂「塗る」状態は孔版印刷であり、「スクリーン印刷」の特徴を全く生かせていない事になります。

スクリーン印刷のインクは、スキージが進むにつれて、ローリング→吐出→版離れ→レベリングを繰り返さなければなりません。
なんかいつになくアカデミックな書き方(笑)

ベタ置きの場合には、このうち「吐出」と「版離れ」が完全には実現できません。これが、一番最初に書いたご相談内容の最大の原因です。

ベタ置きの場合スキージが通過してから版を取り除くまでの間、印刷物の上に、そして版の孔の中にインクが滞留していることになります。
そして版を取り除く際に一気にインクがズボっと抜けるイメージです。こうなると、版の孔の内側に多くのインクがへばりついて残ってしまいます。

ケーキやクッキーを焼く際に、生地を型に入れますが、焼かずにそのまま型を引き抜く状態をイメージすると解りやすいかもしれません。

これに対して「適正なテンションを保った版」で「適正なオフコンタクト」を取って印刷すると、スキージが進行すると同時にインクがローリングするのは勿論、スキージが通過する箇所だけが印刷物と接する(スキージが通過した瞬間に、版は印刷物から離れる)ので、インクが孔の中に滞留する時間をきわめて短くする事ができます。
これをイメージすると、インクは孔の中を通過させる、すなわちインクは落とすものという事ができます。

さて、インクが滞留する時間が長ければ長いほど孔の中に残留するインクの量は増えてしまいます。これはすなわち、印刷物に乗るインクの量が減る事に変わりありません。濃いインクを探す前に、この構造を理解し、適正な版を使用する事が本当の解決策であり、ここを見過ごすと、いつまでも薄い印刷のまま、濃いインクを探し求める事になります。

では、滲んでしまう件はどうでしょう。説明はいたって簡単です。

OHPフィルムなど表面がつるつるの物質を2枚ずらして重ね、上に兼ねたフィルムの端を定規の代わりに、緩い粘度のインクで線を引いてみましょう。まず確実に滲みます。
ベタ置きした版と、印刷物の間でこれと同じ状況が起きているという事です。

以上の様に「落とす」イメージではなく「塗る」イメージで印刷していると、採用に列挙した問題点を根本的に解決する事はできません。
「水性は版が詰まるからやめた方が良いですよ」と言うのは半分嘘で(笑)同じ版を使ってプラスチゾルインクや溶剤型インクで印刷した場合も、インクの濃度が上がらない訳はこれでおわかり頂けたかと思います。

これまで色々なご相談を頂いた中で、試しに現在使用している版を、実際に弊社に送って頂いたことが多々ありますが、満足のいく版を見たことがありません。梱包を解いた瞬間「あれ、スクリーンが破けているのか?」と思ったくらい緩い場合が殆どです。最近は、遠くの業者様のお名前でも、聞いただけでテンションの弱さが解ってしまう位(笑)

 

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インクの剥離(剥がれ)の原因

これまた度々頂くご質問に

「インクが剥がれてしまうんですけど、どうしたら良いのでしょうか?」

プリント&乾燥した直後にはいかにも密着している風に見えていたインクがエンドユーザー様の手に渡って間もなく剥がれてしまった。
または、そんなに回数洗濯していないのに剥がれてしまった。

こんな場合に考えられるのは大きく分けて以下のいずれかです。

  1. インク選定の間違い
  2. 乾燥の間違い
  3. 洗濯方法の間違い

 

3については、プリンターの手を離れた後の問題ですが、シルクスクリーンプリントインキはドライクリーニングが不可。そしてアイロンがけも不可という事をご存じない方もいらっしゃるみたいです。ましてや、一般のユーザー様はそんな事言われなければ解らない筈ですので、製品をお渡しする際に注意書きなどを添えて説明するのが安全でしょう。

ただ、そんな努力をしても「普通の洗濯をしたのに剥がれた」というクレームが起きてしまう事も時にはあります。シルクスクリーンプリント場合は、1枚もののプリントではない場合が殆どでしょうから、同時に収めた他の先でも同じような現象が起きているかどうかを確認しましょう。他の先でも同じような現象が起きているとすれば、上記1や2に原因が有って剥がれているのかもしれません。
そうでない場合、所謂1件だけというような場合は・・・・
良くあるパターンはその製品を着用した人が香水などを多用する人。という事はスポーツを好む人に多く起きたりします。また、普通の洗濯と言いながら、超高級洗濯機を使って、一般人にはとうてい「普通」とは思えない洗濯を行っている場合(笑)です。ご本人様は「普通」と思っていますからこれはこれでどうしょうも有りませんが(笑)

お客様の立場で考えると「なんでうちだけー!腹立つわー!!」となってもおかしくない状態ですから、ここは上手く説明しなければならない所ですが。

さて、1と2は複雑に絡み合います。と言うのは、よくよく検証してみないと1か2かそれとも複合技かは分からないからです。

通常は、インクの提供先から伝えられた使用方法通りに使用すればなんら問題は起きるはずはないですし、起きた場合にリカバリー方法を教えて貰えるはずです。

昔、実際にあったこんな話が有ります。

プリンター:「(水性)バインダーで色を作ったら薄くしかできないんだけど?」
某資材屋 :「添加する顔料が少ないんじゃないんですか?」

プリンター:「入れる顔料を増やして(希望の色が実現したので)刷ったら、1回の洗濯で剥がれたんだけど?」
某資材屋 :「顔料入れすぎたんじゃないんですか?」
プリンター:「お前にはもう聞かない!」

1で気を付けなくてはいけない点は

  • 生地の伸縮性に合ったインクを使用しているかどうか。必要であれば添加剤を加える。
  • そのインクは劣化していないか
  • そもそも、そのインクは大丈夫か(笑)

そして2で気を付けなければならないのは

  • 機械の(温度や時間)表示をはなから信用したりしない事
  • インクの乾燥条件はメーカーのHPかなにかで確認すべきです(業者によって間違った説明をしている場合がままありますから)

最後に、こんな話を一つ。

時折耳にする話が

「うちはクレームが極端に少ないんですよ。あっても年に数回ですね。所謂、統計的に無視できる回数ですからまったく気にしていません」

私はこう思います。

「寄せてくれるお客様のクレームは、大切な情報です。クレームを寄せてくれるお客様はほんの数件しかいないはず(それ以外は黙って買ってくれなくなる)。「ありがとう」と言われる以上に「このやろー」と言われる時がもっと嬉しい」

 

余談ですが、最近お問い合わせ頂いたお客様から「(御社の)ブログが参考になってありがたいです。でも、肝心かなめの肝は書かれていないんですよねぇ(笑)」

わざとでは無いのですが(笑)

 

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メタリックインク(プラスチゾルインク編)

では、前回に続き、本日はプラスチゾルインクのメタリックプリントに関するお話です。
これ又、プラスチゾルインクのシマーインクで錆びないインクは皆無です。「プラスチゾルインクは油性なので錆びません」などという話は大嘘ですので信じないように(笑)
大概のプラスチゾルインクのシマータイプは、即プリントできる状態でお手元に届くと思います。
蓋を開けて錆がゼロだった場合が本来普通ですが、時折錆の始まった状態の場合が有ります。これまで書いた通り、保管中にもシマーの表面は酸化が進行しますから、メーカーでインクを作った時から、徐々にではありますが錆は始まっています。
ですので、メーカーが作成した時から時間が経てば経つほど、お客様のところで開封した際に「ギョ!」となる確率が上がる訳です。在庫藍店率が悪い販売店から買うとこうい事になります(笑)というか、通常の良心的な販売店は事前に以上の様な説明をします(笑)
じゃぁどうしたら一番良いのか?というと、前回水性バインダー編でお話した事とほとんど同じです(笑)
  1. シマー・グリッター用のベース・プラスチゾルインクにプリント直前に粉体を混合して使用する。
  2. シマーを混合したプラスチゾルインクはその日の内に使い切る。
  3. より熱乾燥に注意する。
  4. スクリーンのテンションはいつも以上に強さに気を付ける。

上記の詳しい説明は前回の記事をご覧下さい。

さて、話が戻りますが、

先述の「錆びないプラスチゾルシマーインク」(実はあり得ませんが)を購入してプリントした商品を販売していた場合、いつか、購入して頂いたお客様から「せっかく購入したポロシャツのプリントが錆びてるんですけど!」とおしかりを受けた場合、どのような対応をせざるを得ないでしょうか?

  1. 「うちは絶対に錆びないインクを使用しているので、そのような事はあり得ません!」と言い張る
  2. 「そんな事ないはずなんですが・・・」と言いつつ、インクを購入した先に問い合わせ、結局「(錆びないはずのインクを使用しているので)錆びるはずありません」と返答する
  3. 「お手数ですが、実物を拝見させて頂けますか?」とお預かりして愕然とする。

これは、それぞれのお店の対応姿勢の問題ですので、私がとやかく言う話でもないのでしょうが(笑)
私がプリントショップの責任者であれば、まずは「絶対錆びる事の無いシマープリントは無い」理由をご説明した後で、長持ちさせる方法をお知らせします。そしてお客様に納得頂いた上で販売します。

そして「錆びないプラスチゾルシマーインクを販売している販売店」からの購入は中止します(笑)

多分、そういうお店は、商売の終点が「販売すること」なんだと思いますから、売ってしまった後の事は、大概「しらんぷり」です(笑)
格好良く書きますと(笑)Web-Stanceは「販売すること」は商売の出発点だと考えています。
シルバー(アルミ)プラスチゾル
ゴールド(アルミ)プラスチゾル
アルミ粉
グリッター

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メタリックインク(水性バインダー編)

前回お話した通り、シマーインクで錆びないインクは皆無です。

では、すぐには錆びないにしろ、水性バインダーで金・銀をプリントする場合に、どういった注意や工夫が必要か書きますと、以下の通りです。

  1. 防錆剤の添加された金・銀(シマー)用の水性バインダーを使用する
  2. それ以外のバインダーを使用する場合には、通常のバインダーより接着力の強固なバインダーに、別途防錆剤を添加して使用する。
  3. シマーを混合したインクはその日の内に使い切る。
  4. より熱乾燥に注意する。
  5. 版は普段よりも目詰まりしやすいので、適宜濡れ雑巾などで孔を拭く
  6. スクリーンのテンションはいつも以上に強さに気を付ける

これだけ注意しても、結局は前回お話した通り錆びるものは錆びます。
と言うか、これだけ手間と神経を払っても錆びるんですよという事ですが。

どうしても錆びるのが嫌ですと言うのであれば、シマーを使用するのを諦めて、代わりにポリエステル製のグリッターを使用する事になります。
ポリエステル製のグリッターは、金属箔(これ自体は錆る性質を持っています)を薄いポリエステル製のフィルムで密閉していますから、水に触れる事も、空気に触れる事も有りません。
と言う事は、酸素に触れる事がないので酸化しない=錆びないという事です。

又、錆は0ではありませんが、アルミを使用すれば、錆を少なくすることが可能です。アルミは錆びない事は有りませんが、その金属の性質上、一度作った錆が膜を形成して、内部まで錆が進行する事を防いでくれるからです。
基本、アルミ粉は銀色ですが、ここに顔料の赤・黄を適宜混合してあげる事で金を作る事も出来ます。

最後に、シマーに限らずグリッター・アルミなど粉体を混合したインクを使用してプリントする場合、スクリーンのテンションには「より」気を付けて下さい(上述の6)。
と言うのも、粉体より樹脂の方が孔を通過しやすいため、テンションが足りないと、インク中の樹脂ばかりが通過していき、スキージストロークを繰り返す毎に、インクの粘度が上がっていきます。インク中の粉体の割合が大きくなるためです。
スクリーンのテンションが強くできない場合、硬いスキージを使用すると紗寄り(スクリーンの糸が引きずられて、糸の間隔が狭くなってしまう)してしまう為、必然的に柔らかめのスキージを使用する事になります。柔らかめのスキージを使うと、インク樹脂は多く落ちやすくなるため、泣き(滲み)が発生する確率が高くなります。

「金・銀だから綺麗さ(輝き)が一番!多少の滲みは仕方ないのさ」と言う方を横目に、上手なプリンターはエッジも綺麗で輝くプリントをしているものです(笑)

今回はわざと文中にリンクを入れませんでしたので、参考までに製品を列記・リンクします。

シマー用バインダー
防錆剤
シルバーバインダー
アルミ粉
グリッター

 

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錆びないインク・・・

しばらくショッピングカートの商品を追加していたので、こちらが若干おろそかになっておりました。
そして、その間にもお客様のところで事件が。

「いつものように(水性)バインダー金粉を混ぜるとダマになっちゃうんだけど・・・どうして?」

そんな事をいきなりザックリ言われても(笑)と思いながら、新しい金粉と新しいバインダーを手に、お客様のところに走った私。

 

さて、金や銀のインクと一くくりに言っても、数多くのインクが有ります。そしてそれらの印刷が施された製品、特にウエア類は雨水にさらされる以上に洗濯という障害が有ります。

買ったままビニール袋を開梱もせずに大事にしまっておいたプリント物を、忘れた頃に箪笥から出して「さて、お気に入りを着てお出かけしましょ!」と思ったら・・・・プリント面が錆錆になっていた。なんて事も有ったりします。そうですね。空気中には湿気という物が有りますから。。

 

「折角高いお金を出してプリントして貰った金ピカのTシャツが錆びてるんですけどどーしてくれんのよ!」

買ったのはいつ頃ですか?

「5年前です!」

・・・・・

こういった事件は、一般常識的に考えれば解る事なのでおいといて(笑)

全く錆びる事のないインクなどこの世に存在していません。金属の中でも、アルミやステンレスはまだ「錆づらい」性質をもってはいますが全く錆びないという訳では無いのですし、細かい事を言うと、悪臭に耐えながら全く洗濯せずに使用していても、人って汗かきますし(笑)先ほども書いた通り、空気中には水分ありますから(笑)

次回から「水性の金銀」・「プラスチゾルインクの金銀」と2回に分けて詳しく書きますが、前もってお話すると、金・銀は印刷インクをプリント直前に混合して作るのがベストです。

又、全く錆びないように「(金・銀)箔を貼る」という方法も有りますが、こちらはこちらで、洗濯するとあっさり割れるという問題が有ります。「割れたのもアジ」と思えるなら良いのですが(笑)それならそれで「錆びるのもアジ」ではなかろうか(笑)

 

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撥水生地用インク一覧

日一日と寒くなってきました。北海道だけでしょうか?(笑)只今の気温「15度」です。

毎年恒例かもしれませんが、夏が過ぎ、秋も深まると、Tシャツやポロシャツの他に、防寒着、ブルゾンなどへの印刷が増えてきます。
そして、それと同時にお問い合わせやご相談が増えてくるのが「撥水生地」への印刷に関するものです。

Wikiなどで調べて頂いても解る通り、撥水加工とは「疎水性をもたせる事」です。
疎水性をもたせるってことは、水性系のインクは密着しづらい、という事でそれは容易にわかるのですが、じゃぁ油性(溶剤系)であればなんでも密着するのかというと、一概にそうではありません。
というか、撥水加工には疎水性の程度が色々あります。例えて言うと、少し雨露をしのげれば良いという程度のブルゾンから、高い山に登った際に寝泊まりできるような山岳テントまで。
キャンプがお好きな方はご存知かもしれませんが、テントの性能表示に「耐水圧~」とか書いてありますが、製品のレベルでこの数値が色々ありますね。

要は「すんごく撥水」と「なんとなく撥水」など、程度が色々という事です(笑)

いきなりですが、こんなものを作ってみました。

「ちいせぇよぉ!」と思われた方は、画像をクリックして下さい。
多少大きくなります(笑)

それでも「まだちいせぃよぉ!」とおっしゃる方はこちらでご確認ください 

青の三角は、左に行けば行くほど撥水度合いが強く、それに逆比例してオレンジ~黄色の三角であらわす「同一のインクでの密着度」は弱くなることを示しています。
7つのインクを使用した場合、矢印の指し示す程度の撥水まで密着させることができるという事を、あくまでイメージ的に表しています。

単純に言うと

「撥水生地に印刷する場合には「専用のインク」を使用するほうが、きちんと密着させることができる。」

という事です。

 

次のようなご相談を頂く事が有ります

  • 現在のインク以外になるべく種類を増やしたくない(管理が複雑になるから)
  • なるべくコストをかけたくない
  • 印刷が剥がれるなどと言うトラブルは絶対に避けたい

正直、ムシが良すぎます(笑)

以前にも何度も書いていると思うのですが、
プラスチゾルインクを紹介されて、それにナイロンボンドを混合してプリントすれば、絶対ナイロンにくっつきますから、と言われていたのですが・・・剥がれてしまってトラブルになりました。紹介してくれた業者に聞いても「うちでは大丈夫なんです」と言うだけでどうにも解決しません・・・・御社でどうにかなりませんか?」
こんなご相談を頂くたびに私も悲しくなります。

先ほどの図を見て頂ければ解る通り、まずはどのインクも、全能の神ではないという前提をご理解ください。

このご相談へのお答えは、
「その生地の撥水加工が、プラスチゾルインク+ナイロンボンドの性能を越えた加工なのかもしれません。若しくはその業者様が腐ったインクや腐ったナイロンボンドを販売しているかですね(苦笑)ちなみに、その生地に水道水の水滴を垂らしたら、水滴はどのような形状になりますか?」

繰り返しになりますが、撥水加工の程度は様々です。「撥水に付くインク下さい」といきなり言われても、弊社では「これです」とは言いませんし言えません(笑)
ご相談頂ければ、その都度的確なアドバイスを差し上げられると思います。

捕捉ですが、撥水加工以外にも防菌加工された生地も通常のインクは密着しづらくなっていますのでご注意下さい。

 

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インクの比較

久しぶりに北海道に上陸した台風も通り過ぎ、めっきり涼しくなりました。やっぱり、雪と氷の世界よりも短い夏です(笑)

と、これだけ北海道を強調しているにも関わらず・・・

弊社にお問い合わせを頂くお客様の中には、色々ご相談を受け、いよいよ弊社の製品をお送りするという段階になった時に、初めて「え!?!(STANCEって)東京じゃないんですか(笑)」というお客様がいらっしゃいます。
なので、つい最近ホームページの先頭に北海道のマークを入れてみました(笑)

こうなったら、熊のマークとか、GLAYとか、しまいには松山千春のマークとか入れてみましょうかね。あ・・・中島みゆきの方が良い?(笑)

という冗談はさておき、

いつ書いたかは、もう定かではないのですが(笑)水性バインダープラスチゾルインクの中間のインクという事で「アクアゾルインク」をご紹介してからというものの(だと思います)、アクアゾルインクのお問い合わせ及びご利用が一段と多くなってきています。
という訳で、一旦整理のためにこの3インク(水性バインダー・アクアゾル・プラスチゾル)の比較を表にしてみました。水性バインダーからは弊社「オールマイティーバインダー」に登場してもらいます(笑)

 

オールマイティー アクアゾル プラスチゾルインク
刷版 耐水性 耐水性 耐水性を推奨(耐油性でも可能)
版の洗浄 水道水のみ 水道水のみ
  • 水洗可能剤併用で水道水(耐水性版)
  • 適応する溶剤(耐油性版)
版上でのインクの保管 不可 不可

不可

※長時間放置すると、スクリーンメッシュを痛めます

乾燥条件 130~150度にて2~3分

アクアフィキサー併用で短縮

  • 大凡150~170度で45秒の非接触遠赤乾燥
  • 大凡150~170度で90秒の接触乾燥

※低温硬化型はそのインクの乾燥条件を参照

弱撥水布への対応 Ripe3硬化剤併用(1%)にて可能 不可 ナイロンボンド併用(6~12%)にて可能

低温硬化型は不可

PantonColorへの対応 可能 可能 MatchingSystemインクのみ可能
仕上がり風合い
(プラスチゾルインクを普通として)
極柔 普通
版詰まり 可能性大 可能性小 皆無

供給元

国内 国内 海外
 インク粘度 柔らかい 普通 硬め
希釈 乾燥遅効剤

※隠蔽性に影響なし

乾燥遅効剤

※隠蔽性に影響なし

レデューサー

※隠蔽性が下がります

隠蔽性 高い 高い 高い
シマー(金・銀・パール粉) シマー及び防錆剤を使用時に混合 シマー及び防錆剤を使用時に混合 シマーを使用時に混合
※既製品は既に錆が発生している場合が有ります。

 

普通、売りたい商品を少しでも有利に表現したくなるものですが(笑)弊社はいずれも良いインクだと思っているので、至って客観的に書いたつもりです。

ひょっとすると、特に「プラスチゾルインク」の項目中に「私が聞いているのと話が違うぞ!STANCEは嘘を書いているのではないか!?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、お客様に使って頂いて、最終製品にトラブルが起きてしまうのが一番まずい事と認識していますから、少なくとも嘘は書いておりません(笑)

最終的には「実際に使ってみて比べてみて下さいね」としか言いようがないのですが(笑)

 

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熱圧着ラバーシートの剥離剤

突然ですが、決算棚卸の為8月30日(水)を休業とさせて頂きます。Web-Shopでのご注文は通常通りお受けできますが出荷業務は行えません。ご不便をおかけしますが、何卒宜しくお願い致します。

さて、本日は日増しに多くなっているリムーバーMW及びリムーバーMW-SPへのお問い合わせ・ご質問にかんするお話です。

リムーバーMW及びリムーバーMW-SPは「感熱接着剤を使用したシートを再剥離する液体」です。
この製品を弊社HPToutubeの動画を見てお問い合わせを頂く中、多いものを大まかに挙げさせて頂くと次のようなものが有ります。

  • ユニフォームの背番号を剥がす事が出来ますか?
  • 他社の同様な商品では糊の跡が残ってしまうのですが御社の製品ではどうですか?

問題は、今剥がそうとしているシート(?)が「本当に」感熱接着剤を使用した材料かどうか。そして、その種類はMWで剥がす事が出来るものか、-SPで剥がす事ができるものなのか、いずれなのかという事です。

ここに二つの事例を挙げます。

【1】熱圧着した際に、一部きちんとつかなかったため、遅れて(冷えてから)指で押し付けたらくっついてしまった。

【2】同じ販売店から購入した同じ型番のシートが、以前はリムーバーMWで剥がれたのに、いつからかリムーバーMWでは剥がれずに、リムーバーMW-SPで剥がれるようになった。

【1】についてはあまりにもびっくりです(笑)それって、そもそも感圧接着剤を使用したものなんじゃないですか?(笑)って気がします。
あくまで推測の域をでませんが、感圧接着剤も高温を書ければ融解し、冷えると再度凝固します。凝固する時点で、接触している部分の繊維に絡みつけば、表面上は感熱接着剤と同じ動作をします。表面の基材がその温度に耐える事ができるのならばですが。

弊社には毎日何十通というPRのメールが届きます。某アジアの国から(笑)「うちの(熱圧着シート)を販売してくれないか?」という物です。
今現在、これらのメールは全て自動で迷惑メールBOX行きとしています。某国が作るシルクスクリーン印刷の機材をみても解る通り、外見はそれらしく作られていますが、長期的な使用に耐えられるものではありません。

「見よう見まねで作ってみました。うちのはずっと安いでしょ」みたいな(笑)

スフィンクスやドラえもんの様です(笑)

【1】のものが某国製だと断言する訳ではありませんが「熱でくっつくからいんじゃない」みたいな感覚で作られた製品ではないかと思えてしょうが有りません。

 

【2】については少し微妙です。製品としては、後に剥がす事を想定していません(していないと思います)し、圧着の諸条件が変わらずに作業できているのであれば、製品としては問題ないのだと思います。圧着剤の材質が改良されたという場合だって有ります。
SDS(製品安全データシート)という、簡単に説明すると、製品中に有害物質や危険物質が含まれていないかどうかを表示する資料が有りますが、これらにも「上記に該当しない物質」を列記する義務は在りません。同じ製品の一部が改変されても有害性や危険性がない限り表示する義務は無い訳です。

 

さぁ、少し寄り道が過ぎましたが、話を元に戻しましょう。

まず「ユニフォームの背番号を剥がす事が出来ますか?」
一般的に、ユニフォームの背番号の様に1チームに同じ番号の重複しない場合は、シルクスクリーンプリントではなく、熱圧着ラバーシートを使用します。そして、これまで述べてきた様に「感熱接着剤」を使用したシートなのであれば、リムーバーMW若しくはMW-SPで剥がす事ができます。

次に「他社の同様な商品では糊の跡が残ってしまうのですが御社の製品ではどうですか?」
塗り方に少しコツが必要ですが、慣れれば大丈夫です(笑)というか、もしも糊跡が一度残っても、最終的にはきちんと綺麗に剥がす事ができます。

ただ

リムーバーMWで剥がす事ができるものなのか、リムーバーMW-SPで剥がす事が出来るものなのか。これは誰にも分かりません。
シートをご自身で圧着したにしろ、業者に頼んで張って貰ったものにしろ、確信をもってどちらの感熱接着剤を使っているかを断言できる場合であれば良いのですが。

ですので、一度小さい缶で2種類お試し頂くのが最善のの方法としてご紹介しています。

 

最後になりますが、以下のものにはリムーバーMW及びリムーバーMW-SPはお勧めしていません。何故なら、結果的に綺麗に剥がす事ができても、剥がした後の状態がご希望に沿う形ではないと思えるからです。

  • 白生地(準ずる淡い色の生地)に鏡像で転写されているもの(ラバー圧着ではない)
  • ポリエステル100%の生地に圧着されているもの

前者は感熱接着剤に直接顔料が乗っていますから、リムーバーで感熱接着剤は除去できますが、顔料まで除去する事はできません。
また、後者は、シート自体は除去する事はできます。が、ポリエステル生地自体の染料が、熱圧着時に既に再昇華している恐れがあるために、シートを除去した部分だけが変色している(染料が離脱して白っぽくなっている)恐れが大きいのです。シートを除去後、再度その部分より大きいシートを張り付けるなどする以外ではお勧めできません。

またまた最後ではありますが

  • 転写ではあるが、感熱接着剤を使用していない「昇華転写」方式のもの

は、まったく方式が違う転写んおため、リムーバーMW及びMW-SPは無力とお考え下さい。

 

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インクの粘度

インクの粘度には「これが正解」という基準はなかなか見つかりません。

今日はいきなり結論かよ(笑)
なかなか良い「つかみ」が見つからなかったものですから(笑)

 

我々、シルクスクリーン印刷のメーカーや販社がまず第一に考える事は「プリントされる方々がトラブルなく作業を完結する事」です。

商品を作る方の立場から考えると、良い意匠でプリントする事も大切ですが、それを購入した方が快適に使って下さらなければその意味も半減するのではないでしょうか?
良いデザインをプリントしたポロシャツを購入して頂いて、しばらくも経たない内に

「1回洗濯したら剥がれた」とか

「子供に引っ張られたら印刷が割れた」とか

このようなトラブルが多い場合、乾燥条件をきちんと満たしているのであれば、その原因の多くはインクの樹脂に対する顔料過多です。
きちんとしたメーカーの製品であれば、使っている樹脂が許容する範囲を逸脱しない程度の顔料で作られているので、まずこのような問題は起きません。

問題が発生するインクの多くは

  • インクの粘度が高い(硬い) → 割れる
  • 逆にインクが水に近い(柔い) → 剥がれる

逆に言えば、粘度が高くても割れるというトラブルがないのであればそれで正常。また、粘度が低くてもはがれる事は無いのであればそれも正常でしょう。そういう風に作られたインクなのです。

やっかいなのは

「インクは薄めても良いですか?」とお尋ねになる方で、「どうして薄めたいんですか?今、どんな状況ですか?」とお聞きすると

「インクが硬くて、乾燥しても割れるんです」などとおっしゃいます。

これが例えばプラスチゾルインクの場合、レデューサーで希釈すれば今より印刷はしやすくなると思いますが、乾燥後の状態(割れる)は変わりません。
また、正常なインクを使っていて、乾燥後にもなんらトラブルは起きていないが、プリントしずらいから希釈したい、という場合も、本来はその他の部分(版のテンション、スクリーンメッシュの番手、スキージの硬度など)を改善すべきです。

 

インクの中には通常色(赤とか青とか)以外、「ラメ」とか「金・銀粉」、「蓄光」・「再帰反射(リフレクト)」など、粉体が混入しているインクが有ります。これらは、通常の顔料より粒径が大きい物質を使っているので、それを混合したインクは概して粘度が高くなっています。

これをプリントしやすくするため希釈すると、インクの接着性がその分低下するので「剥がれる」危険性が増します。

 

一般的に、中国製のインクは粘度が柔らかすぎの傾向があります。やはり本家本元アメリカ製のインクは粘度が適度です。それでも、最近は可塑剤の変更で柔かめにはなっています。

一方「割れて困っている」方。スキージストロークを終え、スキージの両側からはみ出したインクを良くご覧になってください。
崖が垂直に屹立した感じになっていませんか?通常の正常なインクではそんな形には残りません。硬すぎです。

 

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スキージ圧とインク

つい最近、お客様とお話している際に判明した事が有るので、今回は「スキージ圧」について。

何度かお話している通り、シルクスクリーン印刷は、版をベタ置き(被印刷物と版を完全密着)せず、ある程度の間隔を開けて印刷するものです。
くどいようになりますが、スキージが通る一点だけ、版と被印刷物が接する事にによって、インクが厚く綺麗に乗る仕組みです。
ベタ置きはステンシルです。

ベタ置きでも綺麗に印刷できるという方は良いのですが(笑)粘度が低いインクでベタ置きすると滲みやすく、粘度が高いインクでベタ置きすると濃度が出づらくなります。

最近始めた、たか坊の「解りやすいシルクスクリーンプリント」でスクリーン版のテンションの必要性をお話した際の画像が下です。

少し黒ずんでますが(笑)

 

版離れの仕組みについては該当ページで詳述していますのでそちらをご覧頂きたいのですが、今回の肝は下の画像です。

少し斜めってますが(笑)

これは、最初の画像の(B)の一部を拡大していじった、つもり、です(笑)

正しい方は、、というか。目指すべき状態は(A)・(B)どちらでしょう?

回答は一番最初に書いた通り「スキージが通る一点だけ、版と被印刷物が接する事にによって、インクが厚く綺麗に乗る仕組」ですから

(A)

です。

 

(B)ではなぜいけないのか?いつものように(笑)リストアップします。

  • 決して濃くプリントできる訳では無い。
  • 被印刷物が完全に平滑でない場合(凹凸がある場合)スキージの進行方向にインクが流れやすい
  • 余計な力が加えられているのでそのうち腱鞘炎になる(笑)

(A)はこれらの逆になります。

 

上手なプリンターさんは、インクの濃度をスキージのアタック角度と、ストロークのスピードで調節します。被印刷物とスクリーン版には間隔があいているので、勿論押し付ける力は必要ですが、必要最小限です。一見力を込めているように見えたりしますが、それは力を一定に保ってゆっくりストロークしているがためにそう見えているだけです。

最初に登場して頂いたお客様とお話している時に聞いたのですが

「一番最初に、某所(資材屋)で実際のプリントを見させて(教えて)貰ったのですが、版からギューギュー音が鳴るくらいに擦ってくださいと言われたんです」

って(笑)

それは何故かというと、販売しているインクが硬いからです、きっと(笑)

印刷の濃度が出ないとお悩みの場合は、インクを色々探すよりも、スキージ圧を見直す事、スキージブレードのアタック角度を見直す事で案外簡単に解決する場合も多いのです。

 

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インクの乾燥

シルクスクリーンプリントで一番起きて欲しくない問題は「剥がれ」です。

被印刷物に適したインク適切な乾燥方法を取れば、このような問題の発生を限りなく0に近づける事が可能です。

なのに、弊社にご相談頂く内容の上位を占め要るのは、残念ながら

「剥がれてしまうんですが、どうしたら良いのでしょう?」

というご質問です。

 

乾燥をしっかり行いましょう

 

  • 枚数が多いのでチャッチャと進めたいので
  • ブリードが怖くて温度を下げました
  • 生地が焼けそうなので

などなど諸事情はあるとは思いますが。意地悪ではなく「まずは」しっかり乾燥を行う事わなければ、はがれる危険性が高くなるのは当然の事と言えます。

水性バインダーの場合は、何らかの添加剤を混合して乾燥条件を緩和する方法は様々有りますが、その場合も、それらの基準となる乾燥方法が有るはずですから、販売店にきちんと要請しましょうね。

プラスチゾルインクは「インクがある一定の温度に達した時」に硬化します。これが正しい説明であって「プリント面が(例えば)160度に達して30秒たったら乾燥は終わりです」などという様な説明は間違いの元です。

印刷インクには厚みが有りますから、被印刷物(生地)に接しているインクが一番最後に固まります。そこが固まったのかどうかの時間は誰にも測定できません。ただ、数百ミクロンのインクの厚みですから、そうたいして時間がかかる訳ではありませんが。

例えば、トンネル型の乾燥機にも炉長が様々な製品が有りますが、いずれにしても炉の入り口と出口は温度が下がっています。また、季節によって湿度が変われば温度は僅かにでも変わります(水分に熱が奪われて低下する)し、空調機器の入り切りで室内の、しいては炉の中の空気の流れが変わると温度は変わります
ですので、機器の温度表示がそのままインクの温度では無いと思ってください。実際に放射温度計でインクの温度を計測し、その時間を計る事が必要となります。

「そんなに面倒くさいものなの?」とお思いになる方は尚更用心した方が良いと思います(笑)

 

乾燥不足が起きる様々な原因の代表的なものをリストアップすると

  • 被印刷物の湿気
  • インク色による遠赤外線の反射
  • 機器の温度表示のずれ
  • レジューサーの添加過多

等々が有ります。

 

販売店によっては、購入を決断し易くさせる為なのか「この乾燥機を買えばもう安心!」みたいな文言を使うところが有りますが、鵜呑みにしてはいけません(笑)

これまで「同じ乾燥機」を購入された「別の方々」から、まったく同じ相談を受けています。その方々は同様に「○○というコンベア乾燥機を購入しましたが、搬入設置の時にどこそこのノブは絶対動かさないで下さいと言われました」とおっしゃっていました。
炉長が500mm程度しかないコンベア乾燥機に「1回」通せばプラスチゾルインクの乾燥ができるという話だったそうです。

インクが剥がれるというトラブルが起きて、購入店に相談すると「当方ではそのような問題は起きていません」という回答が戻ってくるばかりで、まったく問題の解決に至らないそうです。そりゃそうです。「お宅で問題起きなくても、うちで起きてるんだって!」という話です(笑)

あるお客様は「ぢゃぁ、ここにきてやってみてくれ!」と言ったそうですが・・・

弊社では「まず、放射温度計をご用意してください。そして、実際にコンベアを通る時のプリントされたインクの温度を計って、何秒間当たっているかを見て下さい」とお話します。そして「その後、何度か洗濯して剝がれないかどうかを確認してください」と申し上げます。
先ほども書きましたが、炉の入り口出口では温度が下がっていますから、炉長500mmの内、既定の温度になってるのはそのほんの一部です。「1回」通せば絶対大丈夫なんて、私は口が裂けても言えません。

プラスチゾルインクに限らず、水性バインダーでも、または繊維製品以外に使用する溶剤型インクでも同じですが、そのインクの乾燥条件を満たした乾燥を行った上で剥離試験を行ってください。
それでも(乾燥条件を満たした乾燥を行っても)トラブルが起きた場合は、販売店若しくはメーカーに確認しましょう。それで解決できないのならば、そのインクは一切使わないようにすべきです。

 

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