報道「スポーツ大会で約30人皮膚かぶれ Tシャツが原因か」に関して

本日は前ふりなしで本題に入ります。

「スポーツ大会で約30人皮膚かぶれ Tシャツが原因か」

9月11日以降、この件について、弊社のお客様から多くのご質問を頂いています。

 

まず最初に、この件に弊社は一切関係してはおりませんが、同じウエアプリントの業界に在籍し、資材・機械をご提供させて頂いている立場としては、無関心でいられる事柄ではありません。

弊社とお取引して頂いている法人様、個人様いずれからも以下のようなお問い合わせが多く寄せられています。

1.どんなプリント方法で発生したのか

2.今後、この業界にどのような影響があるのか

3.シルクスクリーンプリントの材料にも、同じような危険性がわずかでも存在するのか

 

以上の内容について、弊社の見解を述べさせていただきます。ただし、報道よりは詳しい情報を得ていますが、憶測になる発言は極力控えさせて頂きます。

 

要約すると、本件はガーメントプリンター(別称:ダイレクトインクジェットプリンター)にてポリエステル100%のTシャツに印刷したところ、それを着用した際にかぶれ、やけどなどの症状が発生したという事です。

ガーメントプリンターは機構そのものは、一般家庭で使用するインクジェットプリンターとほぼ同等で、水性顔料を直接生地の繊維に塗布する「だけ」のものです。シルクスクリーンプリントに従事している方であれば十分熟知していらっしゃるものと思いますが、(水性)顔料は、それ単体では接着性は無いため、水性バインダー、プラスチゾルベースなどを介在して生地に接着します。

今回の場合はインクジェットプリンターであるため、小さなインクジェットのプリントヘッド・ノズルから接着剤を同時に吐出する事が不可能なため、繊維に対して事前に「前処理剤」なるものを塗布します。

あえて言わせて頂くと、今回の件はこの

「前処理剤」の成分に対する、メーカー、および使用者の認識

が足りなかった、と言わざるを得ないと考えます。

 

使用者がどのような状況で使用するか解っていない状況であっても「ほんの少しでも、危険の発生する」ものであれば、提供してはいけないのではないでしょうか?

少なくとも、提供者であるメーカーはSDS(製品安全データシート)を作成する義務があり、その中でわずかでも危険性を察知しているのですから、

「危険性は有りますよ。危険を承知でしたら使ってください」

と言いましたか?(言ってもそれで正当化される訳ではありませんよ)

 

一般コンシューマーの方々にとっては「Tシャツへのプリント」といえば、シルクスクリーンプリントもガーメントプリントも、カッティングラバーシート圧着も区別はつかないでしょう。

ですから、今後の影響は推して知るべし、です。

あくまで、まず、被害を受けた方へのお見舞いを申し上げた上で、我々は安全で良質な製品の提供を進めていくしかないでしょう。

 

数年に1回くらいの頻度で次のようなご質問を頂きます。

「お客様から、うちの子(幼年)にシルクプリントのシャツを着せても害はないでしょうか?と聞かれたんですが・・・」

弊社の回答はいつでも同じく以下の通りです。

「お子様に何らかのアレルギーがあるとしたら、おやめになったほうが良いです。アレルギーは医師が判断できるもので、我々が判断できるものではないからです。ご心配でしたら、何もプリントしていないまっさらのシャツを着せてあげましょう。

時折、口に入れても大丈夫ですか?とご質問なされる方がいらっしゃいますが、口に入れて良いものは水と空気とお母さんが作ってくれた食事だけでしょう(笑)これ以外のどんなものでも口に入れてはいけません。事実シルクスクリーンのインクで食品衛生法を完全に通過しているものはこの世にありませんから。

色々な抵抗力を備えた大人が、Tシャツにプリントされたインクを多少飲み込んでも大丈夫でしょうが、小さなお子様には保証できませんよね。

ただし、シルクスクリーンのインクは溶剤型であっても、きちんとした乾燥を行ってあるものであれば、一般常識に照らし合わせた状況で、触れただけで皮膚に異常が起きるものは、少なくとも弊社は販売しておりません」

 

これまでも色々な形で、このブログにも書いてきておりますが、何か起きた時、購入・使用して頂いた後の対応が今後を決めかねないと、私は思っています。

 

以下に、関連するリンクを併記します。

 

The Japan Cup のお知らせ

機械・資材メーカーの「一部報道について」