通常の一般色のプリントは顔料の径が小さいので、スクリーンメッシュの番手の選定は専ら印刷するデザインに対して、どこまで精細さを要求するのかが基準となります。言い換えると、インクの樹脂の粘度が許すのならば、そしてプリントする技術が許すのならば、出来うる限り高い番手のメッシュを使う事ができます。

これに対して、グリッター(ラメ)蓄光再帰反射などは、もっと径の大きな粉体を使用していますから、これらの径を通す事ができるオープニングを持ったスクリーンメッシュを使わざるを得なくなります*。

上記4種類の粉体を使った印刷の場合、まずベースとなる樹脂(水性バインダーもしくはプラスチゾルインク)は出来うる限り透明度の高い物を使用した方が、仕上がりは煌びやかになります。特に、蓄光、再帰反射の場合は、ここが蓄光率や再帰反射率に大きく関わっています。いつもの様に箇条書きにすると以下のようになります。

  • 適した接着力を持つ(通常のバインダー・プラスチゾルインクより高接着の)ベースを使用する
  • 通常のクリアバインダー・クリアプラスチゾルインクより透明度の高いものを選ぶ
  • 濃色生地にプリントする際はアンダーホワイトを事前にプリントする

グリッタープリントに限っては3番目を省いても良い場合が有りますが、この場合は試験を行いながらパウダーの量を増やす必要があります。なぜかというと、ベースである樹脂の接着力は、粉体の保持にも消費されるので、限界を超えると生地への接着力が不足し、プリント自体の剥離若しくは、粉体の激しい離脱を起こしかねかねないからです。

では、蓄光や再帰反射も同様に注意して添加量を増やせば下刷りはしなくても良いかと言うとそうはいきません(笑)
一般色の場合、光が当たって反射した色だけが見えます。例えば、赤と言う色は物体にあたった光の内、反射した成分?の赤だけが見えるのですよね?

蓄光顔料は当たった光を受け止め貯えます(詳しくは科学雑誌などをご参照ください)。そして暗所でその光を放出します。要は、受け止めてから発光するまでエネルギーを蓄えている一定の時間が有ります。という事は、まず最初に光をたくさん吸収しなければ良い効果は得られません。ですので、より透明度の高いベースでなければならない。
ここで色のついた生地に下刷りをしなかった場合。例えば黒の生地に下刷りをせずにプリントした場合、蓄光顔料の脇をすり抜けてしまった光は、全て生地の黒に吸収され反射してくる光はありません。緑の生地であれば緑の光成分だけが乱反射して、ある程度吸収できます。反射して戻ってきた光は蓄光顔料の背中側からも吸収されることを考えると、下地に白をプリントしておくことが、後々の放出される光の量に影響する事が解ると思います。

再帰反射の場合は、事情は微妙に違います。再帰反射のビーズは、透明の球体の中に反射素材が埋め込まれています。外見は白く見えるので、ベースに混ぜてすると若干白のプリントに見えます。ビーズの背中側から反射光が当たってもなんら意味をなさないので、別に白で下刷りしなくても良さそうです。しかし、下刷りしないものと見比べると違いが確かにあります。
ビーズの横をすり抜けた光が黒の場合は吸収されてそのままですが、白をプリントしておくことで、ビーズが反射した光のせいで白も見えるせいでしょう。

*ここに金・銀を含めていないのは、金粉・銀粉は粒径こそ通常の一般色顔料より大きいものの、#300まで可能なパウダーが用意されています。これらを使用して尚、#80でなければならないとすれば、それはスクリーンメッシュのテンションが足りない場合です。

この様な事をご理解頂かずに、ただただスキージ圧を上げて見ても、全く効果は現れません。スキージ圧には適正な値が有りますから、高いスキージ圧は折角被印刷物に乗ったインクを再度欠き取っているに過ぎません(詳しくは別項に譲ります)。

 

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