満足のいくゴールド・シルバープラスチゾルインク

以前の記事にも書きましたが、プラスチゾルインクのゴールド・シルバーの状況が激変してしまいました。

ず~っと以前から思っていた事なんですが、プラスチゾルインクのシルバーやゴールドは、なぜあんなにも「らしくない」んでしょうか?

転写の技法を使用して「箔」を圧着すると、それは金箔や銀箔を貼り付ける訳ですから綺麗なゴールドやシルバーが表現できます。ただし、洗濯性が良くありません。
ただ、そこまでは行かなくても、もう少しシルバーらしい、またはゴールドらしいインクはないもんか。。。。と。というか、プラスチゾルインクのゴールドって、本当に「金」に見えます?シルバーって「銀」に見えます?
私的には茶色の少し光ったものとか、グレーの少し光ったの、とかにしか見えない(笑)

いや、光ったグレーがシルバーで、光った茶色がゴールドではありますが。。

シルクプリントでゴールドやシルバーの光具合から順に並べると

  1. ラメ(グリッター)
  2. パール粉
  3. 真鍮粉・アルミ粉

の順では無いかと思います。

1~3は好みの問題でもあると思うのですが、プラスチゾルインクのゴールドやシルバーは通常4でできています。そして、ベースのインクに真鍮粉やアルミ粉が既に混合されて出荷されています(1を除きます)。

メーカーの推奨乾燥条件を守っていれば、インク自体の問題でインク剥がれなどのトラブルは起きません。ただし、同じインクを使用している限り、出来上がりの光具合も「誰がプリントしても」皆同じになります。そう。4番なんかは特に「これってゴールド?!」ってプリントに(笑)

弊社でも、従来から高輝度インクとして販売していますが、仕様を変えてからは満足していません。許せないってのが本音です。

話は少し逸れますが、みなさん、インクを使用する際に「インクの乾燥条件」を調べると思います。勿論、弊社でもホームページ上の各商品に説明書きとして掲載しています。

そこで例えば、Lancer社Excalibur 585 HighOpacityWhite インクの場合、メーカーの推奨乾燥条件は本来

Ink will fully heat cure when the entire ink film reaches 320°F (160°C) for at least 15 seconds.

と説明されています。ぱっと見は「え?!15秒なの?」って事です。
ではこれをGoogl翻訳にかけてみましょう(笑)

「インクフィルム全体が少なくとも15秒間320°F(160°C)に達すると、インクは完全に熱硬化します。」

はい。インクの硬化条件です。生地に密着する条件ではありません。ともすれば、生地の上で硬化はするけれど、きちんと生地に接着するかどうかは、印圧や生地の状態にも依るので、インクメーカーはインクの硬化条件だけを公表しています。

1~2年に1度位「通常の乾燥条件を守ってプリントして出荷したのですが、今回多くがトラブルになってしまった」などというご相談を頂きます。そして、どうにも原因が掴めず、はっと気づく事が、被印刷物の湿気です。Tシャツなど、東南アジアで作られて日本に出荷されてくる商品は、時折とても湿気を帯びて居る場合が有ります。
湿気・水分は、それを気化する為に熱を必用としますから、インクを硬化する為のエネルギー(カロリー)を多少奪ってしまいます。当然、インクの硬化は甘くなってしまう場合が有ります。

なぜこの様な例をお話ししたかというと、最終的にはインクの密着(洗濯堅牢性など)はプリントされた方が常々ご自身で確認して頂かなくてはならない、という事なのです。

さて、ゴールド・シルバーインクの話しに戻りますが、なぜ、こんな「なんちゃってゴールド(シルバー)のインク」なのかというと、中に混合する真鍮粉(アルミ粉)の量を過剰に入れると、剥がれなどのトラブルが起きやすくなる。というのが理由、だと思われます。

このブログの記事の数回前に登場して頂いた社長は、とっても綺麗なゴールドをプリントします。既製のインクを使用していないのは明らかです。だって、これまでこんなゴールドプリント見た事が無い!というプリントですから。何度お願いしても教えてはくれません(笑)というか、それがこの社長のノウハウなので無理に聞き出そうとはしませんし、もし聞いてしまっても、さすがに他には言えないし、ここにも書けないなと思っています。

ただし、原理的な事は解っているので、

従来の既製のゴールド・シルバーインクは濃色生地にも使用できるように、クリア度の低い(生地色をなるべく隠蔽できるように)ベースインクを使用しています。
そこで、できる限り「クリア」のプラスチゾルインクに真鍮分またはアルミ分を多めに混合すると、ゴールドインクやシルバーインクが出来上がるという事。
但し、アルミ粉は純粋なアルミであればほぼ問題は起きませんが、真鍮粉は銅と亜鉛の合金ですから、クリアインクの性質によっては濁りが発生したりする場合が多いので、どんなクリアでも良いという訳ではありません。

という訳で、

ゴールド・シルバー・パール・グリッター用のクリアインクを発売しました。

Shine-Clear と Hi-Shine-Clear(こちらは近日発売)

こちらに、金粉(真鍮粉)銀粉(アルミ粉) いずれも#300メッシュまで通りますから#100や#120等の版は楽々プリントできます。

勿論、グリッターも混合してラメプリントもできます。

 

スタンスのホームページ →

ショッピング(Web-Stance)はこちら →

以前の記事( ameblo )はこちら →

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