版の再生は可能か否か?

あんまり間が開くと、あそこの会社は今大丈夫?とか思われかねないので(笑)

弊社は今現在、無事正常に営業しております。

北海道は全国で9番目に多くのCovid19の感染者が発生しています。時期的に早期に発生し、インバウンドのお客様もほぼ無くなってしまっています。
地元の産業と言えば、高度な工業生産品も少なく、観光産業に関わる方が多いのが特徴です。まさに北海道のスクリーンプリント業界を直撃しています。

一旦収まりかけたと見せてまたまた第二波が来ています。皆様の地域でも次第に影響が出てきているのでは無いでしょうか?

株式会社スタンスは、地元のみでは無く全国のお客様に支えられて10年間活動しております。皆様のご健康をお祈りしながら、今後も僅かでもお役に立てる活動を続けて参ります。

 

さて、今回は表題の通り、一度感光乳剤で作った版は、再生(落版)してもう一度使えるのか?というお話です。

これは、お作りになるプリントのレベルの問題にも関わってしまうのですが、おおざっぱに言うと「再生は可能」です。と言うのも、例えばミクロン単位の印刷寸法精度を求める場合は、再生した版では精度が保てません。

張ったスクリーンメッシュは耐刷性の問題から限界ショット数があります。ましてや、感光乳剤に落版剤を含漬した版はスクリーンメッシュの張力(テンション)が僅かに変わりますから、その他の印刷条件に変化が無い場合、最終的な印刷濃度が変わる事になります。

例えば、液晶テレビの内部に使われているスクリーン印刷では版の再生はできません。というか再生した版は使え(い)ません。

「いやぁ~そんなレベルの話では無くて・・・」という声が聞こえて来そうですが

では、ウエアなどのプリント現場の場合

実務的には何度も再生して使いたいですし、使えます。
時々頂く質問で「他社で販売している感光乳剤の中に、落版(再生)はできません、というものがあるのですが」というものがあります。

結論からお話しすると、どんな感光剤も紫外線硬化型のエマルジョンであり、テトロン(ポリエステル)やナイロンの紗(スクリーンメッシュ)を物理破壊して接着している訳では無いので剥がす事はできるのです。

ただ、露光した時の条件や、再生液の品質のバランスでとても剥がしづらい場合も有るという事ですね。

一般的に耐水性用感光乳剤は、耐溶剤(油)性の感光乳剤よい頑丈に固着します。その代わり、改造性は耐溶剤性の物の方が上です。
そして剥離剤・再生液などと呼ばれる物は、ほぼ水系のものがほとんどです。

耐水性の感光剤を水系のもので落とそうとするのですから落としづらいのは当たり前の話です。絶対にお勧めしませんが、アセトン(ホームセンターで入手可能)でごしごし拭いたら案外簡単に再生できます。
なぜお勧めしないかというと、版の大きさにも依りますが、アセトンは揮発性が高いので作業中に人体に影響を及ぼす可能性(アセトン症)が高いからです。

ではなぜ「この感光剤は再生できません」といって販売するのかというと、多分(他社様なので断言できません)どんな再生液を使われるか解らないから、念のためそう表示しているのだと思います。落とせる再生液を販売すれば良いだけなのに(笑)まぁ、考えようによっては良心的とも言えます。

逆の場合の笑い話を最後に一つ。

ある販売店に、水性版を落とすために落版剤をお求めになった方がいらっしゃいました。質問すると、

「うちはメインが油性インクの販売ですから、置いている落版剤が水性版に有効かどうか断言はできません。でも、うちの落版剤は良いと評判です」

なんか、言ってる事がメチャクチャなような気がするんですけど(笑)

 

スタンスのホームページ →

ショッピング(Web-Stance)はこちら →

以前の記事( ameblo )はこちら →

Follow me!