印刷インクの膜厚はインクの隠蔽性に直結するのは、想像に難くないと思います。ただし、粘度の低い溶剤型インクに比較して、繊維用の水性バインダープラスチゾルインクは概して粘度が高いので、ほとんど影響はないと思われます。

ですので、以下の内容は「知識」として理解しておいて頂ければ良い程度です。何時か何かの役に立つ時もあろうかと(笑)

 

インク膜厚は一度のスキージストロークでで、版の膜厚(レジストの高さ表裏分+スクリーンメッシュの径)の2/3程度です。決して膜厚と等しい量は落とせません。

ミクロン単位の話ですが、版の膜厚が薄くなればなるほど、インクの隠蔽性は少なくなるのは当然ですし、勿論1度のスキージストロークで完全なる隠蔽性を持つインクは有りません。

感光乳剤を使用した写真製版の場合の膜厚の違いは、感光剤を塗布する量が少ないか多いかの違いに尽きます(笑)

時々「(感光剤は)何度塗ればよいのですか?」というご質問を頂きますが、以下の問題が有りますから、そう簡単にはお答えできません。

1.お使いの感光剤の粘度が解らない

2.お使いのバケット(エマルジョンコーター)の接触面の状況が解らない

3.塗ろうとされているスクリーンメッシュのテンションが解らない

4.塗る際のバケットのスピードが解らない

などなど(笑)

 

感光剤は、「より薄く」「何度も」塗り重ねるのがベストです。ただ、上記の各点の違いや個人差で、一度に塗る事が出来る膜厚は違ってきます。

特に、2の「バケットの云々」はまともなバケットには「通常用」と「厚膜版用」が用意されています。

まぁ、きちんと塗れて、最終的にきちんとしたプリントが出来上がれば問題はないのですが(笑)

3に関しては、大よそ検討が付くと思いますが、テンションが低いと1度のコーティングで多くの乳剤が塗布されます。こちらの方が、塗り重ねる「回数」が少なくて済むのでお得な気がすると思いますが(笑)、2度目以降の食いつき(乳剤と乳剤の接着)が甘くなりますので、壊れやすい版になりがちです。やはり、乳剤は薄く薄く塗るのが基本です。

4は、ゆっくり塗る方が厚くなります。これも上記3と同じです。

 

簡単に書いてもこれだけ微妙な関係があるのですから、ここまでお読みになって「あぁ~写真製版(感光剤使用)はめんどくさい!やっぱりシート貼っちゃおう!」って思われる方もいらっしゃると思います(笑)

では、このような「スクリーンに何らかの皮膜状のものを張り付けて版を作る」場合。

 

1.熱圧着ラバーシートをプレス機で貼る

2.グランド原紙などを熱圧着する

3.専用のシートを感「圧」接着する

 

さて、昔から「2」を使われている方はご存知かもしれませんが、「熱」を利用して張り付ける場合はスクリーンメッシュに「絹」そのものを選ばなくてはなりません。なぜかというと、テトロンやナイロンなどの合成繊維は熱で収縮するからです。

収縮するという事は、厳密にいうと出来上がった版の図柄は変形しているという事に他なりませんね(笑)

1色プリントや、位置的に離れた多色であれば目立たないので「良し」とされる方もいらっしゃると思いますが、毛抜き合わせのような色と色が接触している柄は、ずれます。

 

おまけに、一度熱圧着するとはがす事は出来なくなるので、そのスクリーンメッシュは使い捨てになってしまいます。

 

さて、3の感「圧」接着する場合は1・2のような事態は起きません。そして、使用後は剥がす事が出来るので、スクリーンメッシュは再利用できます。

 

そして写真製版との大きな違いを最後に書きたいと思います。

この様な「感熱」「感圧」でシート状のものを張り付けた版は、写真製版と違い、プリント面(被印刷物と接触する版の面)はスクリーンがむき出しであるという事です。

スクリーンメッシュは1インチに100本とか120本とかが密集しているので、細かいμの世界です。ですから、さほどの違いはないと思われます。思うでしょ?思いますねぇ(笑)

微かではありますが、これもプリントの際のエッジのシャープさに関係してきます。

 

という事はですが(笑)、最近見かける、サーマルフィルムを利用したダイレクト製版機という代物。これも片側がスクリーンメッシュがむき出しになっています。どちら側がむき出しになっておるか、よ~くご覧になってからお使い(購入)頂いた方が宜しいかと思いいます。

 

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