いいとこどりのインク
最近売れ行きが特に良くなっているインクが「アクアゾル」インク
どんなインクかを要約すると「水性なのに乾燥が超遅いので、プリント中にほぼ目詰まりの恐れがない」という。
全国津々浦々から毎日のようにお悩みやご相談を受けていると、大雑把に言って(笑)
・今、水性インクを使っているのですが、プラスチゾルインクは目詰まりしないんですよね?
・今、プラスチゾルインクを使っているんですが、版の洗浄に有機溶剤を使用しているので匂いが・・・
と、水性、プラスチゾルいずれをご使用の方からもご相談が参ります。
上記に様なお悩みを解決する本筋の方法は、インクを変えるのではないのですね。だって、インクを変えても、もう一方のお悩みがまた始まるはずです(笑)
例えば水性を使っている方のお悩みは、版を見直す事。プラスチゾルインクを使っている方のお悩みは、版の洗浄方法を見直すことです。
版が詰まる原因は色々ありますが、
・作業が遅い(笑)
・インク返しをしていない
・スクリーンメッシュのテンションが足りない
・オフコンタクトを取っていない
などなど
一方、プラスチゾルインクで使用後の版の洗浄は、
そもそも、プラスチゾルインクは専用の薬剤で水性化してから水洗浄すべきもので、溶剤で溶かして拭き取るものではないという事です。
ただ、プラスチゾルインクのみを販売しておられる販売店さんは水性バインダーの欠点ばかり強調するし、逆も然りです。
あと、大きな勘違いをなされている方も多いと思うのですが、水性と言えば隠蔽性がなく、濃色生地のプリントには適さないと思われている方。
それは、アンカータイプというとても柔らかい樹脂を使用したバインダーの場合で、水性バインダーにも「ラバータイプ」のバインダーが在りますから、プラスチゾルインクと同様、濃色生地にもしっかりとプリントできます。というか、仕上がりの風合いは、隠蔽性もしっかりしている上に、柔軟性が柔らかで、私個人としては好みです。
さて、当初の本題に戻りますが、
水性バインダーとプラスチゾルインクの両方の長所を持った水性バインダーが「アクアゾル」インクです。
印刷・乾燥時にはプラスチゾルインクのように扱え、仕上がりはプラスチゾルインクよりも柔らかいので、一度使って頂いた方は病みつきの様です(笑)
ただし、
・刷っている途中でインク返しをせずに30分も、1時間もおしゃべりに興じると詰まります(笑)
・水性バインダーと違い、乾燥は熱をかけなければなりません。自然乾燥だと何日もかかります(笑)