版は綺麗にして使いましょう
のっけからなんなんですが、弊社は実際の「ショップ」を構えている訳ではありません。勿論、きちんとした事務所で仕事をしていますが、商品を陳列してその場で販売はしていないのです。
と、こんな事を書くのは、つい最近、外で仕事を終えて事務所に戻ると社員からこんな話が。
「突然男女のカップルが玄関にいて、何も言わずにスリッパに履き替えて入ってきたの・・・」
(笑)そういえば、起業して数年後の年末大掃除をしている時に、箒片手にふと玄関を見ると、ひとりの男性が立っていたっけ。そう貴方です(笑)
弊社のホームページやショッピングサイトを見て、どうせ近くに来たんだから現物を見て買いたい、と思われる方が多くなってきているようで。それはとてもありがたい事ですが(笑)
という訳で、今回は地元北海道でのお話。
とある日、最近他社から感光乳剤を弊社のものに変更して頂いたお客様のグループリーダーTさんからお電話が。
Tさん:「あのさぁ、版が壊れるんだけどぉ・・・」
たか坊:「うちの製品(感光乳剤)が不良品だって言いたいんですね?(笑)」
Tさん:「うん(笑)いや、そうじゃないんだけど、どうして壊れちゃうの?」
たか坊:「ぢゃぁ、明日いきまーす」
という訳で、次の日現場に赴き、実際に製版・プリントを行っているお嬢様と面談しました。
たか坊:「どんな時に壊れます?」
お嬢様:「金粉をプリントした版です」
たか坊:「Tさん、全部じゃないんぢゃん」
Tさん:「そうみたいね(苦笑)」
というやり取りの後、書くと10ページくらいにはかるく到達してしまうので要約します(笑)
こちらのお客様の場合は溶剤型のインクに金粉を混合して刷ったあと、版を溶剤できれいに掃除していましたが、その使った版の隣に新たに乳剤を塗布して露光した部分が壊れやすいという事でした。いわゆる「部分製版」というのを随時行っていた訳です。
様々なコストを考えると、小さな印刷を繰り返す事が多い場合、1つの版に小さい面積で何回にも分けて乳剤を塗布・露光という事を繰り返す場合もあります。
ちなみに、このお客様は完全に版を使い終わると、業者に「落版」を依頼しています。
たか坊:「うちの乳剤に変えて貰ってから発生するようになったんですか?」
お嬢様:「いいえ。前からずっとなんですけど(たか坊に)原因を解明して貰えないかなぁと思って」
たか坊:「・・・・・(Tさんを半笑いでにらむ)(笑)」
Tさん:「ご、ごめん・・・」
結局原因は落版などの適当さ加減でした(笑)
聞いてみると、特に最近の落版は綺麗に落ちていない事が多くなっているとの事でしたが、時にはスクリーンに油のようなものが浮いている事もあるとの事でした。
たか坊:「そんな時は、アルミ枠を投げ返しましょう(笑)」
スクリーン版のメッシュに感光剤を塗布する前には「脱脂」という作業をしなければいけません。これはいかなる場合においてもです。これをしないでコーティング・露光を行うと、思わぬ版壊れにつながります。
新品のスクリーンメッシュを張った際にも脱脂。落版したあとのスクリーンメッシュも脱脂です。
理由は、スクリーンメッシュと感光乳剤の間に介在するものを無くす為。
シンナーなどの溶剤で綺麗に拭いて自然乾燥したから良いぢゃん!などと思ってはいけません。
アルコール類で拭くと尚更いけない事が起きてしまいます(笑)
アルコール消毒っていう位だから良さそうな気がするけど(笑)ダメ。
たか坊:「落版にお金払ってるの?落版剤買って自身で落したほうが安上がりだし、こんな状況じゃその方がよくないっすか?」
Tさん:「やってみせてょ・・・」
という訳で、後日実演しなくちゃなんなくなった(笑)