プラスチゾルインクいろいろ

プラスチゾルインクは、様々なメーカーが様々なインクを作っています。印刷される素材別でも様々なインクが、そして添加剤も色々なものがあります。

日本で多く流通しているのは、ダイレクトプリントインク(これはLancer社・Excaliburでの呼称です)タイプ。数十色のインクが用意されており、本来はインク同士を混合せずにそのままプリントする前提です。
もう一方は、ミキシングプリントインクタイプ。十数色のインクを、混合して目的の色を作る為、Pantoneなどの色番号を入力すると混合比率が表示されるソフトが用意されていたりします。そして、ミキシングタイプの中には、ベース(不透明)といわれる着色されていないインクに、顔料を混合して使用するタイプ。

水性バインダーと比べて粘度が高めのプラスチゾルインクは、少量ならまだしも、大量のインクを混ぜるとなると大変な作業になってしまう為、インク攪拌機が必要になってしまいます。
ただ、本来は、インク(水性、溶剤型、プラスチゾルに限らず全て)を事前に攪拌して、適当な粘度に調整して使用するべきです(詳細後述)。

そんな事も有って、ミキシングタイプのインクはそんなに知られていないのも実情です。

「お店の基本色はこれです」と言ったように、プリント色を固定していらっしゃる方はさほど問題は起きないのですが、都度エンドユーザーの希望の色でプリントしなければならない方の場合は、都度あれやこれやインク同士を混ぜ合わせなければならないので、この手間が結構悩みの種だったりします。
私が午前中に訪問した際に、悩みながらインクを混合して居たお客様が、訳あって再度訪問したらまだ同じインクを作ろうと奮闘していた事があります。多分3~4時間は経っていたと思いますが、笑うに笑えない状況です。こんな時は、その色の中に思いも寄らない色が必要な場合が多く、いくら試行錯誤しても、その「思いも寄らない色」に気づく事ができなければ、極端な話し無限ループに陥ってしまいかねません。
こんな時、前述の「ミキシングインク用の混合比率ソフト」が有れば、Pantone番号を入力する事で必要な色が解る訳ですから便利です。弊社では、なんと0円で購入できるようになっていますので、遠慮無く使って下さい。

ただし、あくまでもExcaliburインク用ですから、他メーカーの似たような色で読み替えて使用すると、目的の色には一致しないとは思います。また、Windows専用です。

ソフトはこちら →

 

さて、色々あってプラスチゾルインクの業界は大変なのは皆様ご存じの通りですが、そんな中、プラスチゾルインクに混合する為の顔料を販売しています。

常日頃ダイレクトプリントインクをお使いの方には、あまり縁の無いお話しかも知れませんが、ミキシングタイプのインクをお使いの方はインクの値上がりと共に、プラスチゾルインク用の顔料も異常に値上がりしている実情にお困りの方が増えています。
また、ダイレクトインクをお使いの方にも「このインクにほんのちょっと、他の色を混ぜたい。でも、最小単位の1Qt(コート)なんて全然必要ないのに・・・・」などと言う場合は有りませんか?
商品名が「プラスチゾルインク用顔料」まんまやんけ(笑)
90g・230g・1Kgの3種類の容量で販売しています。

注意点としては、このプラスチゾルインク用顔料は粘度が低い。いわゆる「ゆるゆる」ですから、混ぜられる方のプラスチゾルインクの粘度を若干ではありますが落としてしまいます。大量に添加する訳では無いのであんまり影響はありませんが。
そして、弊社が推奨しているインク以外の場合はご自身で印刷、乾燥、そして洗濯してみて確認して下さい。

弊社が認識している「プラスチゾルインク」の概念から外れているインクは不具合がでるかも知れません。と言うのは、弊社がお勧めするプラスチゾルインクは「PVC(ポリ塩化ビニル)+可塑剤」で構成されているインクです。なんらの油性成分を含んでいないインクを指しています。
このブログで何度も書いている事ではありますが、重要な事なので何度も書かせて頂きます。

プラスチゾルインクは油性インクでも水性インクでもありません。疎水性があるPVCが主成分なので、そのままでは水洗いできなのは事実ですが、だからと言ってインク自体が油性では無い。
油性インクと聞いてしまうと、油性は水性より強く付くという間違った判断になりかねません。
ちなみに、水性バインダーとプラスチゾルインクで洗濯堅牢性を比較するとほんの僅かにプラスチゾルインクの方が優秀。しかし、耐摩擦堅牢性では水性バインダーの方が僅かに優秀なのです。
例えば、何度も何度も短期間に洗濯を繰り返す場合にはプラスチゾルインクプリントの方が若干長く保ちますが、背中にプリントした衣類を着て何度も何度も車のシートにこすれ合う場合は水性バインダープリントの方が若干長く保ちます。

要は、最近の繊維用インクは優秀ですから、きちんとした製品であればインク自体に優劣はほとんどありません。ただ、最近は円安ドル高の影響もあいまって、プラスチゾルインクの価格が異常に値上がりしています。
ただ、これまで水性プリントは高額な乾燥機器を用意しなくとも良いというメリットの半面、版の詰まりの脅威にさらされるというデメリットがあるため、敬遠なさっている方が多くいらっしゃいます。「今更水性プリントは無理・・・」みたいに、端からお考えになられる方も多いようです。

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