版膜を何で作るか

前回の予告では「ポジフィルム」のはずでしたが、一つ忘れていたので急遽予定を変更して、本日のお題は「版膜を何で作るか?」です(笑)

  • UV硬化型の感光乳剤を使用する
  • グランド原紙をカッティングして熱圧着する
  • スクリーンメッシュと一体化したサーマルフィルムを専用プリンターで焼く

この内一番優秀なのはやはり一番最初の「感光乳剤」を露光した版です。

一番の理由は「何らかの膜に覆われた部分が、裏表確実にスクリーンメッシュを覆っているか否か」という点。

基本的にシルクスクリーンの版は裏表が覆われていなければいけません。
何故かというと、スキージ面だけが覆われて印刷面(被印刷物が接している面)が覆われていない場合は、インクが滲みがちになります
逆の場合、スキージの抵抗が加わり、アタック角度が大きくなる為インクが滲みがちになるのと同時に、粉末を添加している場合、金銀粉やグリッターなどが落ちづらくなり、待機中のインクの粘度が上がっていきます

時折頂くご質問に
「感光乳剤は裏表どちらに塗るのですか?」という方が居らっしゃいますが
「億劫がらずに両面塗りましょう」

ちなみに「裏表何回づつ塗れば良いのですか?」
というご質問も頂きますが
「お好きにどうぞ(笑)」
正確にいうと「求めている印刷結果(印刷膜厚)に応じて版の膜厚を変えなければなりませんので膜厚計を用意して下さい」となりますが、そんな高価な機器は買いませんよね(笑)
スクリーンメッシュのテンション・塗る速度などで1度にぬらさる膜厚は変わりますから、何度塗ればいいかはそもそもお話しできません。

もう一つちなみに「表裏どちらを多く塗れば良いのでしょうか?」
という件は、これまた
「お好きにどうぞ(笑)」
膜厚が同じであれば印刷結果に大きな違いは起きません。
ただ、スキージストロークの影響を考えると、スキージ面の膜厚を稼いでおいた方が耐刷性は良くなります。

この様に考えると「スクリーンメッシュと一体化したサーマルフィルムを専用プリンターで焼成した版」も上と同様な影響を頭において作業しなければならない事が解りますね。
この様な版を作る機器には種類があって、スキージ面にフィルムが貼ってある場合と、印刷面にフィルムが貼ってある物があるからです。

孔版印刷でありさえすれば良いのでしたら、厚紙を切り抜いたものを版の代わりに使っても良いのですが(笑)
シルクスクリーン印刷の特徴を活かした作品や商品を作りため、そして起き得るトラブルを最小限に抑えるのであれば、少なくとも原理原則から離れた方法を取るべきではないと思います。

某◯◯くんの版は、製造工程をより簡易にする為、版のテンションを犠牲にしています。その為、使うインクの粘度に事実上の制限があります。
ネットで時々見かける、カッティング製版という技法がありますが、実態はスクリーンメッシュに熱圧着型のラバーシートを貼り付けるものです。
これは見かけ上、上にお話しした版と同じ様に見えますが以下の問題点がありますので、遅かれ早かれトラブルが発生します。

  • 熱で圧着しているので、スクリーンメッシュをが収縮しているため正確な版が作れない
  • より安価に製造できると謳っていますが、スクリーンメッシュは使い捨てで逆にコスト高

熱圧着するより、ステッカーなどを制作する際の感圧型ラバーシートを使用した方がまだマシとさえ言えます。

確かに感光乳剤を使用した版を作るためには、暗室・乾燥室・洗い場が必要になりますし、露光機も必要になります。

 

まだまだ書く事があるのですが、とても長くなりそうなので

  • 露光機の選び方と露光の微調整
  • 感光乳剤の色々

は次回以降、分けて書かせて頂きます。

 

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