プラスチゾルインクの添加剤ーナイロン生地に密着できるようにするー

このシリーズ中しばらくは前ふりなしで本題に入ります。

「ナイロン生地に接着するインク(添加剤)」のお話をするには、まず次の事柄をご理解頂かなければなりません。

プラスチゾルインクはアメリカ・カナダ製のインクで(弊社では中国製は正規のプラスチゾルインクとは認識していません)ある事です。

プラスチゾルインクにはナイロン繊維専用のインクが用意されている事。

この専用インクには硬化剤としてナイロンボンドという添加剤が用意されている事。

ただしあくまでもアメリカ製のナイロン繊維用のインクであり硬化剤です。

また、あくまでナイロン繊維用のインクであり、その上に何らかの加工、多くは撥水加工への密着(接着)は保証されていないのです。

なぜこのように書くかというと、日本のナイロン生地と言えば、大抵の製品に撥水加工がなされているという事を、新進の資材屋が認識していないと思われるからです。そして、正確な認識がないまま「これを使えばナイロン生地に印刷できます」などと、中途半端な情報を提供していたりするからです。

 

先にも書きましたが、ナイロンボンドという添加剤は、各メーカーが作るナイロン専用のプラスチゾルインクそれぞれに、専用のナイロンボンドがあります。

A社のナイロン用プラスチゾルインクにはA社のナイロンボンドが、B社のナイロン用プラスチゾルインクにはB社のナイロンボンドが有効であるのは確かですが、A社のナイロン用プラスチゾルインクにB社のナイロンボンドが有効かは定かではありません。

ナイロンボンドの主成分は大まかにはほぼ同じですが、プラスチゾルインクの成分が若干違うため、ナイロンボンドも成分も若干違ってくるためです。

そして、ナイロンボンドの主成分は水分に反応して硬化を始めます。

ナイロンボンドの容器の開閉の回数が多ければ多いほど、空気中の水分と接する回数が増えるため、容器内での硬化(劣化)が早くなり、全てを使い切る前に容器内で固まってしまう事となります。

 

さて、春から秋にかけて多くなる、ご質問やお悩みを列記してみます。

1.「あるところから買ったナイロンボンドを使ってもはがれるんです。どうしてかを問い合わせたら、回答が返ってきません」

2.「あるところから買った日本製のナイロンボンドを使ったらはがれたんです。どうしてかを問い合わせたら、回答が返ってきません」

3.「あるところから買った日本製のナイロンボンドを使ったらはがれたんです。どうしてかを問い合わせたら、1日自然乾燥してから熱乾燥してくださいと言われました。場所をとって仕事にならないんですが回答が返ってきません」

 

なぜ回答が返ってこなくなるのか不思議でなりませんが(笑)

1-3 まずすべてについてですが、撥水加工の程度の確認をされたかどうかなのです。それを確認されたうえでナイロンボンドの使用を勧められたのならまだましですが(笑)

弊社では、撥水加工の程度の確認をお電話で指示させて頂いて、その状況を確認の上で使用すべきインクをお勧めします。何から何まで「ナイロンボンドで大丈夫です」などという資材屋を信用してはいけません(笑)

 

2の「日本製の」ナイロンボンドって何ですか(笑)

 

3これって多分、2の日本製ですね(笑)

 

てな訳で、いつも実名は書きませんがP社、S社、M社です(笑)

あ、全て頭文字(笑)

おまけにこの3社、実態は1社(笑)

 

いじるのはこの程度にしておいて(笑)

 

最後にこんなことを書くのも何なんですが(笑)

撥水加工された繊維に印刷する場合、プラスチゾルインクにナイロンボンドを添加して製品化できるのは、あくまでも軽撥水の場合に限ります。それ以上の場合には、溶剤型の2液硬化型インクを使用しないと事故になりかねません。

 

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