インクの中間乾燥

先ほど確認した際に気づいたのですが、まだ完成していない投稿を公開していたような(笑)忘れて下さい。追って、書き上げた後再公開しますので(笑)

という訳で、内容は少し似ていますが、今回はタイトルの通り「インクの中間乾燥」について。

スクリーンプリントで他色プリントを行う際に、なくてはならない物。それが「中間乾燥」
基本、重ね合わせの部分が有る無しに関わらず、淡色から初めて徐々に濃色を重ねていきますが、いずれにせよ版の感光膜に前のプリントインクが移行するデメリットを考えると、プリントしたインクを強制的に指触乾燥しなければならなくなります。

ここで使われる乾燥機を「スポットドライヤー」「フラッシュドライヤー」などと呼びます。

これらには色々なタイプがありますが、ヒーターの形状では「石英ヒーター管」を並べたものがあれば、平面の「赤外線ヒーターパネル」一枚で賄った物など。
要は「遠赤外線」によってインクを硬化させる物が好ましいのです。
水性バインダーに限って言えば、インク膜が〇〇度にならなければ全く硬化しないプラスチゾルインクと違い、外気循環式であるヒートガンやはたまたヘアドライヤーでも可能で「は」有りますが、乾燥ムラの危険を考えて個々の責任によることをご理解下さい。

ここに二つのフラッシュドライヤーをご紹介します。

 

外観はとっても似ています。

右の機種の支柱の途中に付いているのは、フットスイッチによってヒーター部分が首を振るようにするオプションです。ここは度外視して下さい。

この2機種はいずれも平面型の遠赤外線ヒーターパネルを装備しています。ここは同じです。
ですが、弊社ではプラスチゾルインクをご使用になるならば左の機種を、水性バインダーであれば右の機種をお勧めしています。百歩譲って(笑)水性バインダーに左の機種をお使いになるのは理解できますが、プラスチゾルインクに右の機種はお止めします。

インクの性質として、水性バインダーは乾燥時に「ターペン」という油脂が揮発します。プラスチゾルインクも可塑剤を含む一部物質が気化します。どちらもある物質が、途中気化している訳ですが、その量と時間に大きな違いが有るため、水性バインダーの方が「より強制的に」吸気してあげた方が良いという原則があります。

ちなみに、プラスチゾルインクは一度硬化すると、その後には何も気化しませんが、水性バインダーは乾燥後も常温で数時間にわたって、ターペンが気化し続けています。なので、プリント・乾燥後すぐに、プリント製品を袋詰めはしないようにします。

さて、2機種の機構的な違いをここでお話ししますが、右の機種にだけヒーターパネルに吸気機能が付加されています。

勿論、吸気するという事は、吸気機構直下にある部分の熱も奪うことになります。そこの温度も「下がる」という事です。

変なたとえですが(笑)よりハイパワーなコンロを買ってきて、お湯を早く沸かそうとしながらも、鍋に水を継ぎ足すのと一緒です。やっぱり変な例え?(笑)

  • ウエアに熱によるダメージを与えないように吸気機能が付いています。
  • プリント室がどんどん暑くならないように熱を吸気します。
  • そして、ハイパワーで高級です。

等という説明はとても間違っています。

そもそも、ウエアにダメージを与える熱量ってどれだけ?って気がします。規定の乾燥温度を守ればダメージなんか起きない訳で、ダメージを与える熱をかけなければならないインクは、スクリーンプリントのインクとしては失格です(笑)
そして、機械に煙突が付いていて室外に排気できない限り、室温は変わらないと思います(笑)

 

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