染み込み風インクの水性とプラスチゾルインク

今回の記事は努力作です(笑)

なんと動画が見られます(笑)

まずはご覧ください。

 

染み込み風インク1

染み込み風インク2

 

何故このような動画を作ったのかと申しますと

  • プラスチゾルインクで水性染み込み風のプリントができないでしょうか?というお問い合わせが多い
  • けど、世の中には間違った認識が散在している
  • おまけに、プラスチゾルインクは本当に油性?

という、結構このブログのネタの宝庫だからです(笑)

動画をご覧頂くと、2つのベース剤に顔料を加えて攪拌しています。
これって、片方が水性アンカー(染み込み風)バインダーで、もう一方が風合い柔らかなプラスチゾルインク・ベースです。
そして、添加している顔料は水性顔料(P)シリーズの紅赤。

どちらも完全に混じりあっています。

プラスチゾルインクを使用した版は水道水のみで綺麗に洗い流す事はできませんし、印刷中に衣服に不覚にも付着してしまった場合も濡れ雑巾では綺麗にする事はできません。多くの方は、何らかの溶剤で清掃していらっしゃるのかと思います。
「だから、プラスチゾルインクは油性」というのは早計という物です。

水性と油性の違いは、大雑把に言って(笑)主成分が水か有機溶剤かです。
プラスチゾルインクの主成分はPVC(塩ビ)です。極端な話、プラスチックの板やご家庭にある電源の延長コードとおんなじです。
硬さが違うのは、そのほかに含まれている「可塑剤」の量や種類が違うからです。

もう一度伺います。
プラスチゾルインクは水性ですか?油性ですか?

「だって、水で洗い流せないじゃん!」と言い張る貴方(笑)
こちらのページをご覧頂ければ、水洗いできるようになる材料がちゃんとございます(笑)

今一度伺います(しつこい)
プラスチゾルインクは水性ですか?油性ですか?

実は、どっちでもいいんですが(笑)、溶剤を使用せずに水洗できる方が良い理由があるのです。

使用した版のインクを清掃する際に有機溶剤などを使用すると、感光乳剤でおおわれている部分はまだしも、スクリーンメッシュがむき出しになっている部分、要はインクが落ちる部分に有機溶剤が付着します。
版の感光膜を剥離してから違う版を露光する前に、きちんとスクリーンメッシュから脱脂していますでしょうか?

こう言っているという事は、そうです、感光剤を塗布する前に、スクリーンメッシュは完全に脱脂しないと、版が壊れる要因になります。
ついでに申し上げると「私はアルコールで拭きあげているから大丈夫」なんて思っていらっしゃるあなた。
アルコールは尚悪いんです。
もひとつついでに申し上げると、弊社オリジナルと同様の水洗を可能にする薬剤が海外に御座いますが、これらには「テルペン」が含まれています。テルペン油などという位ですから油性です(笑)

まぁ、水道水で洗い流したにしても、手指の油とかが付着する可能性もありますから、スクリーンメッシュは使用前に脱脂するのが原則です。

話の順が逆になりましたが、動画の通りプラスチゾルインクにも染み込み風のプラスチゾルインクがあります。
勘違いして頂きたくないのですが、これはラバータイプのプラスチゾルインクをレデューサーなどで希釈したものではないという事です。

水性バインダーの場合もそうですが、ラバーバインダーは専用の樹脂、アンカー(染み込み風)バインダーも専用の樹脂でできていて、けっして水で薄めている訳では無いのです。

確かに、ラバータイプのプラスチゾルインクに大量のレデューサーを添加すると、そりゃぁ薄まって染み込み風「みたく」なりますが、乾燥時間も大量に多くしなければなりません。メーカーの保証外ですから。

動画内の染み込み風プラスチゾルインク(L-Sinks Adhisive)は名前は添加剤ですが、

L-Sinks Adhisive+水性顔料(P)でプリントインクができあがります。

もし、L-Sinks Adhisive が油性であれば、「水性」顔料は分離するはずですがきちんと混合します。

プラスチゾルインクをメインでお使いになられている方で、淡色生地にプリントする際に水性のように風合い柔らかなプリントがしたい場合に重宝すると思います。

 

蛇足ですが、お持ちのプラスチゾルインクが正しい製品であれば、弊社の水性顔料(P)は確実に混合します。

 

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