プラスチゾルインクの添加剤ー粘度を下降させるー

さて、忘れないうちに今回のシリーズを書き始めたいと思います。

まずはタイトルの通り、プラスチゾルインク粘度を下降させるための添加剤ですが、この話をする前に、何故、貴方は粘度を下降させたいのですか?

良くあるパターンは「1.インクが硬すぎて印刷が掠れる」というもの。

次に「2.半纏(はんてん)などに印刷したいが、水性の染み込み風に仕上げたくて」というもの。

あと、少し特殊になると「3.ラメグリッター)印刷したいのだけれど、ラメ自体がなかなか落ちない(でベースインクだけが落ちる)」というもの。

 

他にも色々あるようですが、本来上記3件は、添加剤を加えてインクの粘度を下げるという事では、本質的解決にはなりません。

何故か、は後に譲ることにして、まずは粘度を下降させる添加剤を紹介すると、メーカーによっては様々な呼称で呼ばれますが「キュラブルレデューサー」若しくは単に「レデューサー」と言います。

これらを添加したインクは、硬化温度に変更はありませんが、乾燥時間に影響があります。長くしなければならなくなります。

この添加剤は余ほどの事がない限り「あんまり使用しない」添加剤です。

何故ならば、プラスチゾルインクは攪拌すればするほど柔らかくなるインクだからです。

特に、水性インク(水性バインダー含む)に先に慣れている方はプラスチゾルインクは硬く感じられると思いますが、まずは練ってみましょう。

それでも、インクが落とせない?ははぁ~ん、さてはスクリーン(版)のテンションが弱いんですね、とこうなります(笑)

これまでも何度か嫌になるほど登場しているスクリーンのテンションですが(笑)

テンションが緩いのを改善しないでなんとかしようとすると、インクの粘度を落とさなければ難しくなります。が、インクの粘度を落とすと別の問題に出会ったりしませんか?

そうです、精細な柄がシャープに印刷できなくなります。要は滲みやすくなるからですね。

2の「半纏などに印刷したいが、水性の染み込み風に仕上げたくて」という件で、過去にとある資材屋がプラスチゾルインクにレデューサーをどんどんつぎ込んだものを納品していた事があるようですが(笑)そりゃぁ、印刷前のインク自体はそう見えるかもしれませんが、仕上がりは全然別物になります。

そもそも、プラスチゾルインクで水性アンカータイプの印刷をするためには、まったく別のタイプのインクがありますし、添加剤で賄おうとした場合はレデューサーは間違いで、まったく別の添加剤になります(後日書きます)。

最後に3「ラメ(グリッター)印刷したいのだけれど、ラメ自体がなかなか落ちない(でベースインクだけが落ちる)」というものは、そもそもラメ(グリッター)が落ちないのでしたら、選択したメッシュが細かすぎて落ちないだけでして、逆にベースインク自体を緩くしたら、もっともっとベースだけが落ちるようになりますが、という事です(笑)

確かにラメに限らず、通常の顔料より粒径の大きい畜光顔料、金粉、銀粉、再帰反射などを混合するとインク全体の粘度が上がります。これによって、1のように掠れるなどが生じる(インク全体が落ちずらい)という場合にレデューサーで調整すべきで、ベース「だけ」が落ちる場合は根本的に違います。

 

プラスチゾルインクはその性質上、何もせずに放置して置いたり、低温の環境で放置しておくと、信じられないほど(笑)硬くなります。でも、硬化してしまっている訳ではありません。熱硬化型ですし(笑)

以前、年末年始の休暇があけて、近場のお客様から「おーい、年末に届けて貰ったプラスチゾルインクが、異様に硬いんだけど、これってどぉなってんの?」と言われて見に行った事があります。

原因は、年末年始の北海道。それはそれは雪に囲まれた寒い季節に、寒い倉庫にインクを保管していたからでした(笑)

 

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