撥水生地用インク一覧
日一日と寒くなってきました。北海道だけでしょうか?(笑)只今の気温「15度」です。
毎年恒例かもしれませんが、夏が過ぎ、秋も深まると、Tシャツやポロシャツの他に、防寒着、ブルゾンなどへの印刷が増えてきます。
そして、それと同時にお問い合わせやご相談が増えてくるのが「撥水生地」への印刷に関するものです。
Wikiなどで調べて頂いても解る通り、撥水加工とは「疎水性をもたせる事」です。
疎水性をもたせるってことは、水性系のインクは密着しづらい、という事でそれは容易にわかるのですが、じゃぁ油性(溶剤系)であればなんでも密着するのかというと、一概にそうではありません。
というか、撥水加工には疎水性の程度が色々あります。例えて言うと、少し雨露をしのげれば良いという程度のブルゾンから、高い山に登った際に寝泊まりできるような山岳テントまで。
キャンプがお好きな方はご存知かもしれませんが、テントの性能表示に「耐水圧~」とか書いてありますが、製品のレベルでこの数値が色々ありますね。
要は「すんごく撥水」と「なんとなく撥水」など、程度が色々という事です(笑)
いきなりですが、こんなものを作ってみました。
「ちいせぇよぉ!」と思われた方は、画像をクリックして下さい。
多少大きくなります(笑)
それでも「まだちいせぃよぉ!」とおっしゃる方はこちらでご確認ください →
青の三角は、左に行けば行くほど撥水度合いが強く、それに逆比例してオレンジ~黄色の三角であらわす「同一のインクでの密着度」は弱くなることを示しています。
7つのインクを使用した場合、矢印の指し示す程度の撥水まで密着させることができるという事を、あくまでイメージ的に表しています。
単純に言うと
「撥水生地に印刷する場合には「専用のインク」を使用するほうが、きちんと密着させることができる。」
という事です。
次のようなご相談を頂く事が有ります
- 現在のインク以外になるべく種類を増やしたくない(管理が複雑になるから)
- なるべくコストをかけたくない
- 印刷が剥がれるなどと言うトラブルは絶対に避けたい
正直、ムシが良すぎます(笑)
以前にも何度も書いていると思うのですが、
「プラスチゾルインクを紹介されて、それにナイロンボンドを混合してプリントすれば、絶対ナイロンにくっつきますから、と言われていたのですが・・・剥がれてしまってトラブルになりました。紹介してくれた業者に聞いても「うちでは大丈夫なんです」と言うだけでどうにも解決しません・・・・御社でどうにかなりませんか?」
こんなご相談を頂くたびに私も悲しくなります。
先ほどの図を見て頂ければ解る通り、まずはどのインクも、全能の神ではないという前提をご理解ください。
このご相談へのお答えは、
「その生地の撥水加工が、プラスチゾルインク+ナイロンボンドの性能を越えた加工なのかもしれません。若しくはその業者様が腐ったインクや腐ったナイロンボンドを販売しているかですね(苦笑)ちなみに、その生地に水道水の水滴を垂らしたら、水滴はどのような形状になりますか?」
繰り返しになりますが、撥水加工の程度は様々です。「撥水に付くインク下さい」といきなり言われても、弊社では「これです」とは言いませんし言えません(笑)
ご相談頂ければ、その都度的確なアドバイスを差し上げられると思います。
捕捉ですが、撥水加工以外にも防菌加工された生地も通常のインクは密着しづらくなっていますのでご注意下さい。