熱圧着ラバーシートの剥離剤

突然ですが、決算棚卸の為8月30日(水)を休業とさせて頂きます。Web-Shopでのご注文は通常通りお受けできますが出荷業務は行えません。ご不便をおかけしますが、何卒宜しくお願い致します。

さて、本日は日増しに多くなっているリムーバーMW及びリムーバーMW-SPへのお問い合わせ・ご質問にかんするお話です。

リムーバーMW及びリムーバーMW-SPは「感熱接着剤を使用したシートを再剥離する液体」です。
この製品を弊社HPToutubeの動画を見てお問い合わせを頂く中、多いものを大まかに挙げさせて頂くと次のようなものが有ります。

  • ユニフォームの背番号を剥がす事が出来ますか?
  • 他社の同様な商品では糊の跡が残ってしまうのですが御社の製品ではどうですか?

問題は、今剥がそうとしているシート(?)が「本当に」感熱接着剤を使用した材料かどうか。そして、その種類はMWで剥がす事が出来るものか、-SPで剥がす事ができるものなのか、いずれなのかという事です。

ここに二つの事例を挙げます。

【1】熱圧着した際に、一部きちんとつかなかったため、遅れて(冷えてから)指で押し付けたらくっついてしまった。

【2】同じ販売店から購入した同じ型番のシートが、以前はリムーバーMWで剥がれたのに、いつからかリムーバーMWでは剥がれずに、リムーバーMW-SPで剥がれるようになった。

【1】についてはあまりにもびっくりです(笑)それって、そもそも感圧接着剤を使用したものなんじゃないですか?(笑)って気がします。
あくまで推測の域をでませんが、感圧接着剤も高温を書ければ融解し、冷えると再度凝固します。凝固する時点で、接触している部分の繊維に絡みつけば、表面上は感熱接着剤と同じ動作をします。表面の基材がその温度に耐える事ができるのならばですが。

弊社には毎日何十通というPRのメールが届きます。某アジアの国から(笑)「うちの(熱圧着シート)を販売してくれないか?」という物です。
今現在、これらのメールは全て自動で迷惑メールBOX行きとしています。某国が作るシルクスクリーン印刷の機材をみても解る通り、外見はそれらしく作られていますが、長期的な使用に耐えられるものではありません。

「見よう見まねで作ってみました。うちのはずっと安いでしょ」みたいな(笑)

スフィンクスやドラえもんの様です(笑)

【1】のものが某国製だと断言する訳ではありませんが「熱でくっつくからいんじゃない」みたいな感覚で作られた製品ではないかと思えてしょうが有りません。

 

【2】については少し微妙です。製品としては、後に剥がす事を想定していません(していないと思います)し、圧着の諸条件が変わらずに作業できているのであれば、製品としては問題ないのだと思います。圧着剤の材質が改良されたという場合だって有ります。
SDS(製品安全データシート)という、簡単に説明すると、製品中に有害物質や危険物質が含まれていないかどうかを表示する資料が有りますが、これらにも「上記に該当しない物質」を列記する義務は在りません。同じ製品の一部が改変されても有害性や危険性がない限り表示する義務は無い訳です。

 

さぁ、少し寄り道が過ぎましたが、話を元に戻しましょう。

まず「ユニフォームの背番号を剥がす事が出来ますか?」
一般的に、ユニフォームの背番号の様に1チームに同じ番号の重複しない場合は、シルクスクリーンプリントではなく、熱圧着ラバーシートを使用します。そして、これまで述べてきた様に「感熱接着剤」を使用したシートなのであれば、リムーバーMW若しくはMW-SPで剥がす事ができます。

次に「他社の同様な商品では糊の跡が残ってしまうのですが御社の製品ではどうですか?」
塗り方に少しコツが必要ですが、慣れれば大丈夫です(笑)というか、もしも糊跡が一度残っても、最終的にはきちんと綺麗に剥がす事ができます。

ただ

リムーバーMWで剥がす事ができるものなのか、リムーバーMW-SPで剥がす事が出来るものなのか。これは誰にも分かりません。
シートをご自身で圧着したにしろ、業者に頼んで張って貰ったものにしろ、確信をもってどちらの感熱接着剤を使っているかを断言できる場合であれば良いのですが。

ですので、一度小さい缶で2種類お試し頂くのが最善のの方法としてご紹介しています。

 

最後になりますが、以下のものにはリムーバーMW及びリムーバーMW-SPはお勧めしていません。何故なら、結果的に綺麗に剥がす事ができても、剥がした後の状態がご希望に沿う形ではないと思えるからです。

  • 白生地(準ずる淡い色の生地)に鏡像で転写されているもの(ラバー圧着ではない)
  • ポリエステル100%の生地に圧着されているもの

前者は感熱接着剤に直接顔料が乗っていますから、リムーバーで感熱接着剤は除去できますが、顔料まで除去する事はできません。
また、後者は、シート自体は除去する事はできます。が、ポリエステル生地自体の染料が、熱圧着時に既に再昇華している恐れがあるために、シートを除去した部分だけが変色している(染料が離脱して白っぽくなっている)恐れが大きいのです。シートを除去後、再度その部分より大きいシートを張り付けるなどする以外ではお勧めできません。

またまた最後ではありますが

  • 転写ではあるが、感熱接着剤を使用していない「昇華転写」方式のもの

は、まったく方式が違う転写んおため、リムーバーMW及びMW-SPは無力とお考え下さい。

 

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