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「シルクスクリーン印刷の基本」その2
さて、全開でシルクスクリーン印刷について若干くどくど書いてみました。
要は、シルクスクリーン印刷は孔版画の1種ですが、孔版画のもう1種であるステンシルとは違っているという事です。
ステンシルは「型紙」を被印刷物に密着させます。シルクスクリーン印刷は密着させずオフコンタクトを取ります。
このおかげで印刷のインクの膜厚を稼ぐことが可能になります。
シルクスクリーン印刷の基本動作は、版上をスキージが通過する部分だけが、被印刷物と接触している状態になります。
ベタンと直置きしてしまうと、常に版と被印刷物が密着してしまいます(まさにステンシルです)。
ケーキを焼く時を連想してください(筆者はケーキを焼かないので、間違っていたら指摘してください)。
アルミホイルかなんかでできた枠(熊さんとか、犬とか)にそのままケーキの生地を流し込んではいないですよね?枠の周りにくっついてしまわないように、テフロン加工されたシートで保護すると思います。そうじゃないと、ケーキを枠から外す時、枠とケーキがくっついてしまう部分ができてしまい、無理に剥がさなくてはならなくなります。
ステンシルの場合も、印刷が終わって、被印刷物から版を離す際にはこれと同じ現象が起きます。こうなると、版のインク通過部分の側面に少なからずインクが残留してしまう事となります。
そこで、シルクスクリーン印刷の場合は、被印刷物と版の間に適当なオフコンタクト=隙間を開けます。
そして、スキージが通る時(=被印刷物と版が接触している一瞬)に同時にインクが通過し、滞留する時間を0にします。より正確に表現すれば、
被印刷物と版が接触していない場合にはインクを滞留させ、それらが接触している瞬間はインクが流動しています。
原理は以上ですが、これを確実に実現するためには
- 版に張られているスクリーンメッシュのテンション
- インク返し
- 被印刷物が適度に仮固定されているか否か
- 印刷柄の解像度に対するスキージのアタック角度
が、重要になります。
翻った見方をすると
- もっと濃いインクはないかと探している場合
- 版が詰まるのがとても速いので困っている
- 印刷が滲む場合がある(逆に掠れる場合がある)
という場合は、先の4点を見直すと改善されることが多いという事です。
「シルクスクリーン印刷の基本」<< >>「シルクスクリーン印刷の基本」その3 |
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