「シルクスクリーン印刷の基本」
この文章をお読みになっている方は、これからシルクスクリーン印刷を始めようとしてる方の他、なんらかのきっかけで既に初めていらっしゃる方で、所謂「シルクスクリーン印刷」に興味をお持ちの方だと思います。
昔と違って、インターネット検索が当たり前になった現在(著者がパソコンを始めた頃は、Niftyserveなどのパソコン通信が始まった頃でした)、「シルクスクリーンプリントとは」等というワードで検索すると、様々な情報を即座に見る事ができきます。著者もGoogleで動画を検索して色々見てみました。
率直な感想は「シルクスクリーンプリントって、なんだか簡単そう!」です(笑)
そうなんです。シルクスクリーンプリントは、版とインクとスキージが有ればできるんです!
とまぁ、こう思えてしまいますし、実際「刷る事だけなら」できます。
以前、ブログでも書いた事がありますが、
歌舞伎の中村勘三郎(勘九郎)さんが「型破り」と「型無し」についてお話された事があります。要約すると
「型があるから型破りが出来る」「型が無ければ単なる形無し」
というお話です。
さて、シルクスクリーン印刷の「型」、所謂「基本」とは何かをご説明します。
言葉で簡単に説明すると
「必要とされるテンションで張られたスクリーンメッシュを何らかの膜で覆い、インクの通貨部分を作った版の上で、スキージ等を使い必要とされるアタック角度で、その条件に合った粘度のインクを、通過させる印刷。スキージストロークの際は、版と被印刷物は一定のオフコンタクトを有し、インクが版の通過部分に一時とも停滞しないようにし、それ以外の印刷インターバルにおいては版の通過部分には常にインクが完全に充填されている事」
上の説明では全然簡単ではないという方へ(笑)
- 版と被印刷物の間には一定の隙間がなければならず、べったり密接していてはいけない
- インクの種類、粘度に関わらず、スキージストロークの直後にはインク返しで、版の孔にインクを充填しなければならない
- スキージングの際は、ぎゅうぅっと押し付けるのではなく、被印刷物と版のスクリーンメッシュ部分が丁度接する状態にしなければならない
さて、話を戻しますが、インターネットには様々なシルクスクリーン印刷の動画があふれています。それ以前に、著者は近郊のお客様を訪問して実際に印刷現場を拝見しますが、お客様によって微妙に違う部分が多いことも確かです。
しかし、確実に言える事は、簡易的に始めた方ほど様々な問題点や疑問点にぶつかってしまうという事です。
それは、上の基本から外れた部分が多いほどそうなりやすいからです。
シルクスクリーン印刷の抜きん出た特徴は、他の印刷方法と比べて、インクの印刷膜厚が厚い事です。
もっと濃いインクがないものか?と悩んでいませんか?
お隣の人と同じようにやっているに(同じインクを使って)、自分の版だけ目詰まりする・・・と悩んでいませんか?
小さい柄は大丈夫なのに、大きな面積のベタを印刷すると、中央部分の方が薄いんだけど・・・と悩んでいませんか?
>>「シルクスクリーン印刷の基本」その2 |