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たか坊の「解りやすいシルクスクリーンプリント」
「スクリーン刷版」


 前項「スクリーン印刷の基本」で大まかに書きましたが、ステンシルと違い、スクリーン印刷の場合は被印刷物とスクリーン刷版は一定の隙間を持たせてスキージストロークを行います。



 上図はスキージストロークの最中を真横から断面で見た状態ですが、<A>と<B>は、どちらも被印刷物と刷版に間隔を開けているのは同じですが、明らかに一部状態が違っています。
 スキージの進行方向は左から右ですが、<A>はスキージが通過した後も、一部が被印刷物から離れていません。これに対して<B>はスキージが通過した瞬間に被印刷物から離れています。

 この違いは以下の様な差異として現れます。

  • 同じ濃度のインクを使用しても、<A>は<B>よりも濃度が出ない
  • 同じ粘度のインクを使用しても、<A>は<B>よりも印刷柄のエッジが粗く印刷される
  • スキージストロークの間に中間乾燥すると<A>は<B>より、版を持ち上げた際にずれやすい。
  • 多色印刷を行う際、<A>は<B>よりも色間のずれが起きやすい。
  • 蒸発乾燥インクを使用した際に、<A>は<B>よりも版詰まりが起きやすい

 上に挙げたのはほんの一部です。

 裏を返すと

  • 印刷の濃度が出ないため、濃度の高いインクを探している
  • 印刷のエッジの解像性を上げようと、良い?感光乳剤を探している
  • 版詰まりを少なくしようと、蒸発乾燥ではなく熱硬化型のインクの使用を検討している

 などという場合は「スクリーン刷版のテンション」を見直す事が先決だという事です。

 また、このテンションを維持するためには、スクリーンメッシュの材質・品質も大切です。
 スクリーンメッシュの材質は大きく分けて以下の製品が有ります。

  • ナイロン
  • テトロン
  • ステンレス

 現在使われている多くは「テトロンメッシュ」で、これは帝人と東レが共同で開発したポリエステル繊維の一種です。張り強度(テンション)への耐性も強く、経年劣化も少なく作られています。

 他の3種類も独特な場面で使われます。
 感光剤を使用せず、ニス原紙などをスクリーンメッシュに張り付けなければならない場合には「絹」を使用します。
 ナイロンは伸縮性に富んでいる(逆にテンションは維持できません)ため、緩い曲面に印刷したい時に使用します。
 最後のステンレスメッシュは精密さを求められる印刷、特に電子基板等の印刷、メタルマスク版を作成する際に使われます。

 また「置き版」などと呼びますが、一度使用した版を再生液で落さずにそのまま長期保管する場合がありますが、この間にもスクリーンメッシュは縮もうと努力します。寸法精度が安定している、品質の良いスクリーンメッシュを選定する事が大切です。

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