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製品情報



シルクスクリーンプリントでは「特に」水性バインダー使用時に、スクリーンメッシュへの残存インクによって版を詰まらせてしまう場合があります。

プラスチゾルインクなどの熱硬化型インクは自然乾燥しない為、オープニング(インクが通過するスクリーンメッシュの孔部分)にインクが残存したとしても版を詰まらせる事は有りませんが、プリント濃度の不足などを生じてしまいます。

【解決法1】

版に張られているスクリーンメッシュの種類・張り付け強度(テンション)を見直す。 



スキージストローク時に版離れが有効に行えない場合、オープニングにインクが残存しやすくなり、版詰まりの原因になります。

スクリーンメッシュのテンションが不足する原因には下記のようなものが挙げられます。

1.枠に剛性が足りないために強く張れない。

外国製アルミフレームに多く見受けられます。

2.使用しているスクリーンメッシュの品質

テトロンメッシュ・シルク(絹)メッシュをご使用ください。
ナイロンメッシュは伸縮性に富んでいるため、逆にテンションは維持できません。

※テンションの不足は、スキージストルークの間に中間乾燥を行うために版を上げる事が不可能になるため、印刷濃度を維持するためにも不可欠です。


 アルミ枠について詳しく見る →
 スクリーンメッシュについて詳しく見る →
【解決法2】

版と被印刷物の距離(隙間)を適切に開ける。



シルクスクリーンプリントは、版とワーク(被印刷物)の間に一定の空間を保たなければいけません※1
被印刷物の状態、プリントする柄の解像性・インクの流動性を考慮して、空間を微調整してください。


※1 被印刷物に版を直接接するようにすると、オープニングをインクすべてが通過しきれず、版詰まりの原因になります。
 
【解決法3】

スキージストローク時にインク返しを行う。



シルクスクリーンプリントは、インクの材質にかかわらず※2インク返し※3を行わなければなりません。
インク返しを行いオープニングにインクを充てんする事で、副次的にオープニング内のインクの乾燥、版詰まりを極度に遅らせます。


※2 巷間では水性バインダー以外はインク返しは不要と言われることがありますが、自然乾燥する・しないに関わらず、すべてのシルクスクリーンプリントではインク返しが必要です。

※3 インク返しとは、版上をスキージがインクを落としながら通過した後、版をワークから離し、逆方向に(スキージ角度はそのままで)移動させることを言います。

 以上3点は「版詰まりの解決法」以前に、シルクスクリーンプリントの原理に沿った基本原則です。
【解決法4】

インク(水性バインダー)に適切な添加剤を混合して、インクの乾燥を遅らせる。



版詰まりの大きな原因は、スキージストローク時に発生する、スキージブレードと刷版との摩擦熱です。
この摩擦熱で自ら揮発する助剤・乾燥遅効剤EGを添加する事で、水性バインダーの硬化(版詰まり)を著しく遅らせる事ができます。

 乾燥遅効剤EGについて詳しく見る →
【解決法5】

版にオープニングをインクが通過しやすくするリキッドを塗布する。



刷版のオープニングの側面は決して滑らかなものではありません。
インクが通過するオープニングの側面の滑るを良くするPS.Liqidを塗布することで、オープニングへの残留インクを極限まで減らす事が可能になります。

 PS.Liqidについて詳しく見る →
「それでも版が詰まってしまった・・・」という場合は
A.プリント中に詰まった部分の水性バインダーを除去したい場合

スクリーンクリーナーをウエス、もしくは綿棒に含ませて擦り落とす →

B.版を再生(感光剤などを完全に除去する)しようとしたが、ジアゾ再生液では落ちない水性バインダーを除去したい

ゴーストリムーバーを使用して完全に版を再活性化してください →