本文へジャンプ


シルクスクリーン Q&A



全国各地のお客様から寄せられたご相談・ご質問への回答集


このページに掲載されている情報で解決できないお悩みなどがございましたら、御遠慮なくご相談下さい。

刷版に関するご質問−目次−
                              クリックすると、それぞれの詳しい説明にジャンプします

1.感光乳剤を塗布して作る版は再生できないって本当ですか?
2.水性版・油性版など版の種類について教えて下さい。
3.スクリーンメッシュの種類について教えて下さい。
4.版に残った色・ゴーストを落とす事はできますか?
感光乳剤を塗布して作る版は再生できないって本当ですか?

 枠に張ったスクリーンに塗布・感光する乳剤は、使用後に剥離する事が可能です。

 但し「硬膜化」などの処理がされている場合は、剥離する作業が著しく困難になります。
 又、長期間に亘って紫外線(日光)の当たる場所に保管されていた場合も同様です。

※お手持ちの版が、再生可能か判定する方法がございますのでお問い合わせ下さい。 
 関連商品

水性版・油性版など版の種類について教えて下さい。

 感光乳剤(エマルジョン)には、耐水性感光乳剤・耐油性(溶剤型)感光乳剤・耐水耐油性(両用)感光乳剤があります。

 主にその版で使用するインクの種類に合わせて感光乳剤を選び、水性バインダー(水性インク)・プラスチゾルインクを使用する場合は耐水性感光乳剤を、溶剤型インクを使用する場合は耐油性感光乳剤を使用するのが通常です。
 但し例外として、版を使用後、インクの洗浄を行う場合、プラスチゾルインクをシンナーなど有機溶剤で溶解して洗浄する場合においては、耐油性感光乳剤を使用しなければなりません。

 両用感光乳剤は、水性バインダー(水性インク)を使用する場合で、紗のインク詰まり等をシンナーなど有機溶剤で融解する必要が頻発する場合に使用します。
スクリーンメッシュの種類について教えて下さい。

スクリーンメッシュの材質は大きく分けてテトロンメッシュ・ナイロンメッシュ・ステンレスメッシュが有ります。
一般のシルクスクリーン印刷に使われるのは主にテトロンメッシュで、剛性に加えて適度な伸縮性が有ります。

 ※テトロンは帝人と東レが共同で開発した「ポリエステル」繊維です。帝人と東レの先頭の文字1つづつを取り、それにナイロンの後ろ2文字を取った商品名ですが、素材の性質はナイロンとは全く違います。ナイロンは「ポリアミド系」繊維です。

対して、ナイロンメッシュは曲面印刷や、表面が微かに湾曲している被印刷物へのシルクスクリーン印刷に使用します。ナイロンメッシュは海外製品で安価な物が多いのですが、これを一般のシルクスクリーン印刷に適用すると、刷版にテンションがかかりにくく、特に粘度の高い繊維製品用にインクの場合、版離れが極度に悪くなる傾向が有ります。

 ※ナイロン繊維には主に2種類あり、日本では「ナイロン6」が、アメリカでは「ナイロン66」が使用される事が多くなっています。

ステンレスメッシュは、伸縮性が無く、電子基板など精密・微細なシルクスクリーン印刷に使用します。

番手(目の細かさ)は1インチに何本の糸が構成されているかです。番手が大きいほど目が粗く、インクの透過面積が大きくなる為、インクの目詰まりの発生頻度が下がります。但し、印刷柄によってはジャギーが出やすくなる為、お互いのバランスを考慮して下さい。
又、同じ番手のスクリーンメッシュにも、糸の太さ(線径)が違う商品が存在します。線径が太くなればなるほど、より大きなテンションをかける事ができるのに加え、印刷膜厚が大きくなります。
 版に残った色・ゴーストを落とす事はできますか?

シルクスクリーンインクの中でも特に水性バインダーは、刷版の孔(インクの通り道)に顔料が残ってしまう場合があります。これを完全に除去せずにおくと、次回の印刷時のインクに影響を与えてしまいます(色に影響を与えない場合も、印刷濃度が変わる場合があります)。これは、通常のウエスにシンナーなどを染みこませて両側から挟み込みこすり取るだけでは、なかなか除去できません。

版を壊しても良い場合は、まず感光剤を完全に除去してから(落版・再生)、ゴーストリムーバーを塗布して一晩常温で保管して下さい。その後、水道水でゴーストリムーバーを洗い流した後、再度自然乾燥して下さい。これで完了です。
くれぐれも、熱風などで強制乾燥しないで下さい。スクリーンメッシュが破損してしまいます。

版を壊さずに、孔の部分の汚れだけを除去したい場合には、これまでお使いのシンナーを「楽落STAN-PAD」に含ませて、両側から挟み込みこすり取って下さい。これで完了です。

注意

汚れの残りやすい水性バインダーを例に挙げて説明していますが、プラスチゾルインクや溶剤系のインクも同様な現象が起こります。版に残っているインク・溶剤は、印刷終了後速やかに清掃して下さい。