メタリックインク(水性バインダー編)

前回お話した通り、シマーインクで錆びないインクは皆無です。

では、すぐには錆びないにしろ、水性バインダーで金・銀をプリントする場合に、どういった注意や工夫が必要か書きますと、以下の通りです。

  1. 防錆剤の添加された金・銀(シマー)用の水性バインダーを使用する
  2. それ以外のバインダーを使用する場合には、通常のバインダーより接着力の強固なバインダーに、別途防錆剤を添加して使用する。
  3. シマーを混合したインクはその日の内に使い切る。
  4. より熱乾燥に注意する。
  5. 版は普段よりも目詰まりしやすいので、適宜濡れ雑巾などで孔を拭く
  6. スクリーンのテンションはいつも以上に強さに気を付ける

これだけ注意しても、結局は前回お話した通り錆びるものは錆びます。
と言うか、これだけ手間と神経を払っても錆びるんですよという事ですが。

どうしても錆びるのが嫌ですと言うのであれば、シマーを使用するのを諦めて、代わりにポリエステル製のグリッターを使用する事になります。
ポリエステル製のグリッターは、金属箔(これ自体は錆る性質を持っています)を薄いポリエステル製のフィルムで密閉していますから、水に触れる事も、空気に触れる事も有りません。
と言う事は、酸素に触れる事がないので酸化しない=錆びないという事です。

又、錆は0ではありませんが、アルミを使用すれば、錆を少なくすることが可能です。アルミは錆びない事は有りませんが、その金属の性質上、一度作った錆が膜を形成して、内部まで錆が進行する事を防いでくれるからです。
基本、アルミ粉は銀色ですが、ここに顔料の赤・黄を適宜混合してあげる事で金を作る事も出来ます。

最後に、シマーに限らずグリッター・アルミなど粉体を混合したインクを使用してプリントする場合、スクリーンのテンションには「より」気を付けて下さい(上述の6)。
と言うのも、粉体より樹脂の方が孔を通過しやすいため、テンションが足りないと、インク中の樹脂ばかりが通過していき、スキージストロークを繰り返す毎に、インクの粘度が上がっていきます。インク中の粉体の割合が大きくなるためです。
スクリーンのテンションが強くできない場合、硬いスキージを使用すると紗寄り(スクリーンの糸が引きずられて、糸の間隔が狭くなってしまう)してしまう為、必然的に柔らかめのスキージを使用する事になります。柔らかめのスキージを使うと、インク樹脂は多く落ちやすくなるため、泣き(滲み)が発生する確率が高くなります。

「金・銀だから綺麗さ(輝き)が一番!多少の滲みは仕方ないのさ」と言う方を横目に、上手なプリンターはエッジも綺麗で輝くプリントをしているものです(笑)

今回はわざと文中にリンクを入れませんでしたので、参考までに製品を列記・リンクします。

シマー用バインダー
防錆剤
シルバーバインダー
アルミ粉
グリッター

 

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