何事もアタック角度

前回の記事でご紹介しましたが、この行動についてご意見を頂きました。ごく近い方から「どうしてHPに残しちゃうの?みんなタダで見て(スタンスは)儲からないんぢゃないの?(笑)」って(笑)

このご意見に対してあたくし、こう答えました。
「いいの。スタンスは正義の味方だから無償の愛って奴です(笑)」

これは本当に冗談交じりで言ったのですが(笑)スタンスが儲かるも何も、シルクスクリーン印刷の基本原理をお話しているだけなので、これを見られて、生じている問題が解決したなら、それでいいぢゃんって気持ちです。

逆に、ずばり申し上げますと、こういう事もきちんと理解できずに、物だけ販売しようとしている業者様をプロの資材屋とは思っていません(笑)

 

スタンスを創業して間もなく、近隣のお客様・社長からこう言われたのを覚えています。

「(たか坊が以前勤めていた資材屋を含めて、今の資材屋に)何を聞いても知識がないから、何も聞かなかった。注文したものを持って来るだけだったでしょ」(笑)

そして、しばらく経ったある時。
いつも素晴らしい仕事をなさる別の社長がいらっしゃって、これまでは時々「社長、教えてくださいよぉ~」と解らないことを教えてもらおうと何度お願いしても糠に釘だった。ところが、ある日突然「しょうがねぇなぁ(笑)まぁ、最近は一生懸命頑張ってるから教えてやるよ」と。
嬉しかったですよ、ほんとに。

9月で創業まる9年になりますが、創業当時には思ってもいませんでしたが、最近は色々なメーカー様から「うちの商品を販売してください」と言って貰えるようにもなりました。
ありがたい事です。ありがたい事なのですが、お断りする回数もそれなりにあります。

弊社は、安いだけで、結局お使いになる方に問題が起きるという商品は絶対販売しないと決めているからです。

 

突然ですが、さて、スキージには何故いくつもの種類があるのでしょう?

時折見かけるのは

「油性は9mm厚さで水性は6mmです。」とか

「硬さは70度が通常です」とかいうの(笑)

 

「インクが落ちる量は、インクの粘度に対して、スキージストロークの速度、アタック角度を調整する事で変化する」からです。

半径20φのベタ丸と、半径5φのベタ丸を、意識して同じ印圧でそれぞれ250mmのスキージ、100mmのスキージ(硬度・厚さは同じ)でプリントしてみて下さい。よく見てみると、大概の場合5φの柄の方が濃くプリントできるはずです。逆に言うと、20φの方が薄くなります。
何故かというと、印圧は同じでもアタック角度が変わっているからです。もしもこうならない場合は、印圧が強すぎて、若しくはオフコンタクトが少なくて、一度乗ったインクを掻き取ってしまっている場合です。
同じ力で刷っても、1cmあたりにかかる力が100mmの方が大きいので、スキージのゴムが大きくしなり(寝て)インクが多く落ちるからです。

という事は、大きなスキージを使う程、柔らかめのスキージを使うべきだという事が解ります(印刷が薄いままで良いなら構いませんが(笑))。

厚さが9mmと6mmの関係も、同じ硬度であれば厚みがある分9mmの方がしなりずらいのが解ると思います。

「初心者なんですが、スキージはどれを選べばよいですか?」という場合弊社ではまず

「あたくし、お宅さんがとってもすごい怪力の持ち主か、ひ弱な方か存じ上げないので(笑)まずはプラスチゾルなら9mm70度を、水性バインダーをお使いでしたら6mm70度をお試しになって、そこから調整すると良いと思いますよ」と申し上げています。

「結局同じじゃん!」と思わないで下さいね。弊社には様々な硬度スキージブレードをご用意していますから(笑)

 

「印刷が滲む」=インクが落ちすぎている場合 は硬度を高くする
「印刷が掠れ気味」=インクの落ちる量が足りない場合 は硬度を低くする

となりますが、滲み・掠れの原因は他にもありますので、上記で解決しない場合は、オフコンタクトを調整したり版のテンションを疑ってみたりしなくてはなりません。

又、印刷の濃度が足りない場合に「もっと濃いインクがないか?」を探す前に、スキージの硬度の変更で変わる場合もあります。
仮乾燥を行わないプリント面に、何度インクを乗せてもプリント濃度はほぼ変わりませんから、一度のストロークで多くのインクを落とさなければなりません。

あと、余談ですが、スキージの優劣はエッジ(版と接する部分)がきちんとシャープになっているかに加えて、耐久性だと思います。
使い終わったスキージを水道水で掃除するにしろ、溶剤で拭くにしろ、スキージブレード(ゴム)は年々劣化します。放置していても劣化しますから、劣化の遅い良質なゴムを使用した方が、結果お得になります。

 

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