感光乳剤の「両用」の用途って?

ようやく北国北海道にも春がやってきました。朝晩の犬の散歩時はまだまだ冷え込みますが、日中はすこしポカポカです。

と言うように、このブログでは時々「株式会社スタンスは北海道にあります」的な事を書いています。

でも、ホームページ上では「会社案内」にしか書いていませんし、各ページに掲載している電話番号はフリーダイヤルです。

なので、お問い合わせやご相談を頂き、色々お話した最後の方になって「え!北海道なんですか!?」とびっくりされる事がしばしばです(笑)

さて、本日のお題は「感光乳剤」の「用途別」に関してです。

感光乳剤は「組成」で分けると、大まかに「ジアゾ系」と「SBQ系」に分ける事もできます。

 

感光乳剤は用途別に大きく「耐水性」・「耐油性(耐溶剤性)」・「耐水耐油性」に分ける事が出来ます。

お使いのインクによって

水性バインダーや水性インクをお使いであれば「耐水性」

溶剤型インクをお使いであれば「耐油性(耐溶剤性)」

をお使いいただく事になります。

「あれ?耐油性でプラスチゾルインクは?」と思った方。いらっしゃいますよね?

「使い終わった版の感光膜を壊さずに、プラスチゾルインクを綺麗に掃除する時に溶剤を使わなければならないんだから、耐油性」

ごもっともです(笑)

しかし「本来」プラスチゾルインクは「耐水性」を使うべきです。

これはまともなプラスチゾルインクメーカーの推奨です。そうじゃないと言い張る販売店の方は、もう一度英語を勉強しなおして海外メーカーの担当にきちんと質問しましょう(笑)

感光膜の膜厚などなど、諸条件によって具体的には数字を上げる事は不可能ですが、耐油性の感光剤で作られた版で「プラスチゾルインク」をプリントし続けると、相当刷数で版が崩壊し始めます。

確実に目に見える崩壊、すなわちプリントのエッジが汚くなるまでには相当枚数プリントしなければならないので「お試しになってね」とは決して言えませんが(笑)

 

大まかに分類しておきながら、今更ですが(笑)感光乳剤は、そもそも「白と黒」の様に「耐水性と耐油性」の2種類があるわけではありません。

感光乳剤の性質には耐刷性・解像性・ラチチュードの広狭などなど、様々な係数が有ります。簡単なところを書くと、耐刷性を上げると解像性が下がります。

と言う訳で、プラスチゾルインクを使用する場合は本来「耐水性感光乳剤」で版を作り、版上のインクの清掃は専用の水性化溶液を使用して水洗浄する、が正解です。

但し、水性化溶液のコストを考えるとやはり溶剤を使いたい、というのであれば「耐水・耐油性」感光乳剤という、いわゆる両用乳剤を使用します。

勿論「私は水性インクも油性インクも使用する場合があるから両用乳剤」というのも考え方としてはOKです。

 

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